シャルトーニュ・タイエ / Chartogne Taillet

かつてのグラン・クリュ- メルフィを現代に復活させシャンパーニュ新時代を代表するRMに上り詰めた最高峰

シャルトーニュ・タイエ


かつてのグランクリュ、メルフィとは

シャルトーニュ・タイエが位置するのはランスの北西に位置するメルフィという小さな村である。18世紀にはヴェルズネイやアイなど現在のグランクリュの村と同等の最高ランクの価格でブドウが取引されていたという輝かしい歴史を持つ。砂質をベースとした土壌のおかげでフィロキセラの被害もそれほど大きくなかったが、ランスの街やモンターニュ・ド ・ランスの村々を一望できる高台に位置していることから20世紀の二回の世界大戦で戦略的要地となり、ブドウ畑は徹底的に破壊された。1950年代にようやく畑が再建され始めたが、その頃にはかつての栄光とワイン造りがすっかり失われていまっていた。この地の利点は『土壌の多様性』。グランクリュの村の土壌がほぼ粘土とチョークで構成されているのに対し、メルフィは砂質を主体に海抜によって砂岩、粘土、石灰と様々なタイプの土壌が混ざり合いチョークの下層土を厚く覆っている。クオリティに関する歴史的根拠が確かで、同じ村でもブルゴーニュのように区画ごとのテロワールがこれほど多様な土地は滅多になく、唯一無二のオリジナリティあるエリアとなっている。

テロワール表現のこだわり

一度は栄光を失ったメルフィの名を世界に知らしめ復活させた立役者は、間違いなくシャルトーニュ・タイエのアレクサンドルだ。ジャック・セロスのアンセルムに師事したのち2006年に両親がいるワイナリーへ戻るとすぐに「自然環境を尊重したワイン造り」「ブドウの根をまっすぐ伸ばす生育環境」を実践。除草剤を使わずに馬を使った耕作や、葡萄樹一本につき4房の収量制限、多様な発酵容器を使用などを通して常にメルフィの個性を忠実にワインに反映することを徹底してきた。DRCやジャック・セロスと同じ世界的権威を持つクロード・ブルギニョンに土壌分析を依頼し、究極まで土壌と品種の相性を突き詰めるなどそのこだわりには枚挙に暇がない。この地の土壌組成と品種の相性を誰よりも熟知し、テロワールを表現するという新たな世界を創りだすことに成功し、世界中で揺るぎない評価と人気を獲得したアレクサンドル。彼のテロワールの表現は、現在リューディ・シリーズのリリースによって究極の域に達した。