ロベール・グロフィエ

ロベール・グロフィエ - Wine Library

Robert Groffier

レ・ザムルーズの最大面積を所有するシャンボールの名手

シャンボールの作り手として広く知られているグロフィエですが、実はドメーヌは畑を所有していないモレ・サン・ドニ村にあります。区画のほとんどはジュヴレ・シャンベルタンとシャンボール・ミュジニーにあり、わずか5.4haしかないレ・ザムルーズの最大所有者(1.10ha)として知られています。ドメーヌの歴史は現在4世代目に引き継がれており、19世紀にフレデリック・グロフィエが創業、1933年にその息子ジュールがレ・ザムルーズ、ボンヌ・マールを含む優良な畑を手に入れ、1953年にクロ・ド・ベーズを購入。1960年にジュールが子供達に土地を分割相続しますが、果物や野菜に植え替えようとした兄弟達から息子ロベールが畑を買い取ることによって現在の畑を維持しました。

ロベールの代から自社での瓶詰めを開始し、1960年代後半には息子のセルジュがドメーヌに参入。そして現在はボーヌ醸造学校卒業後、2004年からドメーヌに加わったセルジュの息子ニコラがドメーヌを担っています。

伝統的かつ挑戦的な醸造

伝統の継承をモットーとするドメーヌであるが、世代交代の中で変革も起きており、例えば、1995年より仕立てをグイヨからコルドンへ移行。理由はカビ発生リスクの低下と、自然な低収量を実現するためです。そして、醸造時の発酵タンクを35℃という高温まで上げるのがグロフィエの特徴で、通常ここまで上げると酵母が熱に耐えられずに死んでしまい、発酵が止まるリスクが非常に高いため、ブルゴーニュでこれを行う人はほとんどいません。それでも、ロベールとセルジェが好んだ方法で「ブドウからより良い要素を引き出すには良い温度が必要で、30℃ではこれができない」と高い品質を求めるためにはリスクをもろともせず、短時間のピジャージュを頻繁に行うことで高温を見事にコントロールしています。除梗率、新樽の比率はキュヴェごと、ヴィンテージごとに異なり熟成後は無清澄、無濾過で瓶詰めされます。

艶やかで高級感のある世界最高峰のエレガンス

グロフィエのワインは果実の濃密感と美しいミネラルが生み出す艶のある高級感が魅力で、クライヴ・コーツMWからは「ニュイにおける最も素晴らしい生産者の一人」、WA誌では「ACブルゴーニュからグランクリュの全ワインがそのテロワールを代表する一級品」と大絶賛されています。ニコラが参画して以来、果実味がより前面に出るようになってさらに品質が向上したグロフィエは、今やルーミエヴォギュエ、ミュニエと並び称され、世界最高峰のトップドメーヌとしての地位を不動のものとしています。残念ながら流通量が少なく入手が困難であるため、見つけたら絶対に逃してはならないワインです。