ネッビオーロ / Nebbiolo

ネッビオーロ - Wine Library

Nebbiolo

霧の中に生まれるピエモンテの王——バローロとバルバレスコが体現する、タンニンと酸が支える長熟の芸術

ネッビオーロは、イタリア北西部・ピエモンテを原産とする黒ブドウ品種で、バローロとバルバレスコという「イタリアワインの王」を生む品種として世界的な評価を受けています。その名はイタリア語の「霧(ネッビア)」に由来し、収穫期の秋霧に覆われたランゲの丘陵地帯でこの品種は成熟します。ピエモンテ以外ではロンバルディアのヴァルテッリーナでも栽培されていますが、世界的な普及はほとんど見られず、ピエモンテという特定の産地に深く根ざした品種です。

ネッビオーロは晩熟の品種で、栽培が非常に難しく、石灰質の土壌と冷涼な気候条件が必要とされます。果皮は薄いにもかかわらず、豊富なタンニンと高い酸度を持つという稀有な特性を持ちます。若いうちは強烈な収斂感がありますが、長期熟成によってタンニンが溶け込み、類まれな複雑さと気品が現れます。バローロは最低3年(うち18ヶ月樽熟成)の熟成が法的に義務付けられており、リゼルヴァは5年以上となります。

バラとタール、ピエモンテの丘が生む偉大なワイン——長期熟成が解き放つネッビオーロの真の姿

ネッビオーロのワインは、淡いガーネット色の外観と、チェリーやバラ、スミレのアロマが特徴で、熟成とともにタールや革、キノコ、甘草などの複雑な第三アロマへと変容します。「バラとタール」という表現がよくこの品種に用いられ、繊細なアロマと力強いタンニンという相反する個性の共存がネッビオーロの醍醐味です。バローロは「ワインの王、王のワイン」と称され、ピエモンテの各コムーネ(バローロ、ラ・モッラ、セッラルンガ・ダルバなど)でテロワールによる違いも探求されています。長期熟成前提の品種ではありますが、造り手によってはより早飲みしやすいスタイルも生まれており、ネッビオーロの表現は着実に広がっています。