モレ・サン・ドニ / Morey-St Denis

モレ・サン・ドニ - Wine Library

Morey-St Denis

五つのグラン・クリュを有する赤・白双方のワインの銘醸地

ブルゴーニュのコート・ド・ニュイ地区において、北のジュヴレ・シャンベルタンと南のシャンボール・ミュジニーという二大巨頭に挟まれたモレ・サン・ドニは、かつては「隣接する村の名前で売られていた」という不遇の時代もありました。しかし、現在では「ジュヴレ・シャンベルタンの堂々たる骨格」と「シャンボールのたおやかな気品」を併せ持つ、最もバランスの取れた、玄人好みの銘醸地として揺るぎない地位を築いています。

村の規模こそ小さいものの、そこには5つの偉大な特級畑(グラン・クリュ)が凝縮されており、その密度は驚異的です。モレ・サン・ドニのワインは、一般的に黒い果実の凝縮感、野性味のあるスパイス香、そしてシルクのようなタンニンが特徴で、派手さよりも「滋味深く、内側に秘めた力強さ」を感じさせるスタイルが多くの愛好家を虜にしています。

現在のブルゴーニュの格付けの基盤を作ったジュール・ラヴァル博士は、「モレ・サン・ドニのワインは完全無欠。」という言葉を残しており、モレ・サン・ドニの代表的生産者ローラン・ポンソ氏は「モレらしさとはバランスであり、いかなる方向にも突出することがないことだ。」と語っています。

モレ・サン・ドニを語る上で、5つの特級畑の描き分けは欠かせません。それぞれが異なる土壌組成と微気候(マイクロクライメット)を持ち、村の多様性を象徴しています。

  • クロ・ド・ラ・ロシュ(Clos de la Roche) 「岩の畑」の名が示す通り、石灰岩の岩盤が地表近くまで迫る土壌です。モレの中で最も力強く、野性的で、長期熟成によってジビエや腐葉土のような深遠なアロマを放つ、村のフラッグシップです。

  • クロ・サン・ドニ(Clos Saint-Denis) 村名の由来となったこの畑は、クロ・ド・ラ・ロシュの隣にありながら、よりエレガントで繊細なスタイルを誇ります。華やかな花の香りと、スパイスのニュアンスが特徴の「モレの貴婦人」です。

  • クロ・ド・タール(Clos de Tart) 12世紀から一度も分割されたことがない単独所有(モノポール)の畑です。力強さと優雅さの完璧な調和を保ち、ベルベットのような質感を持つ、極めて高貴なワインを生み出します。

  • クロ・デ・ランブレイ(Clos des Lambrays) ほぼ全域を一つのドメーヌが所有しており、複雑な起伏がワインに多層的な果実味とストラクチャーを与えます。非常に表情豊かで、常に安定した高い品質を誇ります。

  • ボンヌ・マール(Bonnes-Mares) 大半はシャンボール・ミュジニーに属しますが、北側のわずかな区画がモレ・サン・ドニに含まれます。シャンボールの華やかさに、モレらしい土っぽさが加わった独自のキャラクターが魅力です。


モレ・サン・ドニの代表的な生産者