ヴージョ / Vougeot

Vougeot
ヴージョは、ブルゴーニュ地方コート・ド・ニュイ地区の中心部に位置し、シャンボール・ミュジニーとヴォーヌ・ロマネという二つの銘醸村に挟まれた小規模ながらも極めて重要な産地です。この村の象徴であり、村の面積の大部分を占めるのが、ブルゴーニュ最大級の特級畑「クロ・ド・ヴージョ」です。12世紀にシトー会の修道士たちによって開墾され、石垣(クロ)で囲まれたこの巨大な畑は、中世以来のワイン造りの伝統と権威を象徴する歴史的記念碑でもあります。
約50ヘクタールに及ぶクロ・ド・ヴージョのテロワールは、その広大さゆえに多様性に富んでいます。斜面上部の石灰質が強い区画からは緻密で気品あるワインが、下部の粘土質が厚い区画からは力強く重厚なワインが生まれます。現在、約80名もの所有者がこの畑を分割所有しているため、生産者ごとに解釈やスタイルが大きく異なるのが特徴ですが、共通して堅牢なストラクチャーと、熟成によって開花するスパイスや腐葉土の複雑なブーケを備えた、男性的な風格を持っています。
村名格や一級畑の面積は非常に限られていますが、そこからは特級畑に比肩する深みを持つ赤ワインや、「クロ・ブラン・ド・ヴージョ」に代表される希少で芳醇な白ワインが造られています。全体として、ヴージョのワインは華やかさよりも質実剛健な品格を重んじる傾向にあり、ブルゴーニュの歴史的重層感を感じさせる堂々たる風格がその本質です。