ヴォーヌ・ロマネ / Vosne-Romanée

Vosne Romanée
DRCやルロワが拠点を置くブルゴーニュの真髄を宿すテロワール
ヴォーヌ・ロマネ(Vosne-Romanée)は、フランス、ブルゴーニュ地方コート・ド・ニュイ地区に位置する村であり、世界中のワイン愛好家から「神に愛された村」あるいは「ブルゴーニュの魂」と称される、最も偉大なピノ・ノワールの産地です。この村から生まれるワインは、強さよりもフィネス(繊細さ)、力強さよりもエレガンス(優雅さ)を追求したスタイルが特徴であり、その複雑で官能的なアロマと、ビロードのような滑らかなテクスチャーは、他の追随を許しません。
ヴォーヌ・ロマネの最大の魅力は、わずか数百メートル四方の狭い範囲に、ブルゴーニュの特級畑(グラン・クリュ)の中で最も伝説的な6つの畑が集中している点にあります。この村のワインが持つ突出した品質は、単なる偶然ではなく、その並外れたテロワールと、何世紀にもわたる畑仕事の結晶と言えます。
伝説の特級畑が集中するヴォーヌ・ロマネのテロワール
ヴォーヌ・ロマネ村の畑は、ジュヴレ・シャンベルタンやシャンボール・ミュジニーといった隣接する村々と比較して、地質学的にも気象学的にも極めて理想的な条件が整っています。
土壌は主に粘土石灰質土壌ですが、斜面の上部(特級畑が集中するエリア)では、石灰岩の含有量が多く、鉄分を多く含む泥灰土が混ざり合っています。この浅く、痩せた土壌は、ブドウの根を深く張らせ、水はけを良くすることで、ピノ・ノワールに複雑なミネラル感と凝縮したエキス分をもたらします。
加えて畑は緩やかな東南東向きの斜面に位置しており、朝早くから夕方まで効率的に太陽光を浴びることができます。これにより、ブドウは過度な熱ストレスを受けることなく、酸を保持しつつ、時間をかけてゆっくりと完熟します。これが、ワインに優雅さとフィネス、そして高い長期熟成能力を与える鍵となります