ムルソー / Meursault

ムルソー - Wine Library

Meursault

黄金の丘が育むテロワールとブルゴーニュ屈指のプルミエ・クリュ

ブルゴーニュ地方コート・ド・ボーヌ地区において、世界中のシャルドネ愛好家が最も憧れ、その豊潤さに酔いしれる村がムルソーです。この地が生み出す白ワインは、隣接するピュリニー・モンラッシェの研ぎ澄まされた鋭さや、シャサーニュ・モンラッシェの力強い骨格とは一線を画す、圧倒的な「芳醇さ」「華やかさ」を特徴としています。黄金色に輝くその液体は、バターやナッツ、トーストといった贅沢なアロマを放ち、口に含めば絹のように滑らかでふくよかな質感が広がる、まさに白ワインの王道を征く存在です。

ムルソーの類稀なるスタイルを支えているのは、その非常に複雑で多様な土壌の構成です。ムルソーには意外にも「特級畑(グラン・クリュ)」が存在しませんが、それはかつての政治的な背景や格付けの経緯によるものであり、その品質は間違いなく特級に匹敵します。特に斜面の中腹に広がる「レ・ペリエール」や「レ・ジュヌヴリエール」といった一級畑(プルミエ・クリュ)は、石灰岩の含有量が非常に多く、ワインに力強い骨格と、火打ち石を思わせる鮮烈なミネラル感を与えます。

一方で、斜面の麓に近い区画では粘土質の割合が増え、これがムルソー特有の肉厚でリッチなボディ、そして完熟した果実のボリューム感を生み出します。この「硬質なミネラル」と「ふくよかな果実味」という、相反する要素が最高次元で融合している点こそがムルソーの真髄です。また、村の地下に広がる深く涼しいセラーは、ワインをゆっくりと時間をかけて熟成させるのに理想的な環境であり、それがワインに驚くほどの深みと多層的なニュアンスをもたらしています。

若いうちはナッツの香ばしさとエキゾチックな果実味が全面に出ますが、10年以上の熟成を経ることで、それらは一体となり、究極のフィネスと複雑なブーケを纏うようになります。魚介のクリームソース煮込みや、熟成したコンテチーズ、あるいはトリュフを使った料理など、リッチな一皿と合わせたときのムルソーは、他のどのワインも真似できないほどの幸福なマリアージュを約束してくれます。ムルソーは、ただのワインではなく、ブルゴーニュという大地が持つ豊かさと気品を、最も贅沢な形で表現した「黄金の液体」なのです。

ムルソーの代表的な生産者

コント・ラフォン

コシュ・デュリ

アルノー・アント

ルーロ

ベルナール・ボナン

アルベール・グリヴォー

フランソワ・ミクルスキ

テシエ

ジャン・フィリップ・フィシェ