ポンソ / Ponsot

Ponsot
1872年創業、ブルゴーニュのクローン選抜を先導した五代目の名門——モレ・サン・ドニの頂点に立つ、アヴァンギャルドな伝統
ドメーヌ・ポンソは、モレ・サン・ドニに1872年に創業した、ブルゴーニュを代表する五代続く家族経営のドメーヌです。ウィリアム・ポンソが購入した当時の中核区画は「クロ・デ・モン・リュイザン」と「クロ・ド・ラ・ロッシュ」で、その甥ヒポリット・ポンソが1920年に継承。1932年にはドメーヌ元詰めを開始し、これはアンリ・グー、ラファルジュ、ルソーといった名門ドメーヌと並ぶブルゴーニュでも草分け的な取り組みでした。四代目ジャン=マリー・ポンソはモレ・サン・ドニの元村長として知られ、1960年代にクロ・ド・ラ・ロッシュの古樹から採取した母本をもとにブルゴーニュ初の公式認定クローン(113、114、115、667など)を育成するという、産地全体に影響を与えた偉業を成し遂げています。1981年に五代目ロラン・ポンソが加わり、1983年から醸造を担当。2016年にロランが独立してネゴシアン事業を立ち上げた後、現在は六代目ローズ=マリー・ポンソが経営の舵を取り、アレクサンドル・アベルがこれを補佐しています。
ドメーヌの中核は現在、自社所有の約8ヘクタールの畑に集中しています。クロ・ド・ラ・ロッシュの3.4ヘクタールは1934年に初の元詰めを行ったドメーヌの旗艦区画で、樹齢平均約58年のヴィエイユ・ヴィーニュが「キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ」として毎年生産されています。もうひとつの個性的な存在がプルミエ・クリュ「クロ・デ・モン・リュイザン・ブラン」です。ポンソが単独所有するこのモノポールは、ブルゴーニュで唯一アリゴテ100%で造られるプルミエ・クリュという、他に類を見ない存在です。1911年植樹の古樹を3分の2以上に含むこのキュヴェは、ロランが1993年にピノ・グジュ、2004年にシャルドネを除去して以来、2005年ヴィンテージより純粋なアリゴテ単独の表現となっています。また、ロランが在籍中はメタヤージュで管理していたクロ・サン・ドニ、グリオット・シャンベルタン、シャンベルタン(ドメーヌ・デ・シェゾーの区画)は2017年のロランの退任とともにドメーヌを離れています。
「ルディ・クルニアワン事件」が証明した希少性——アリゴテのプルミエ・クリュと、世界に偽造されたクロ・ド・ラ・ロッシュの格
ドメーヌ・ポンソのワインは、栽培への最小限の介入と自然のままのブドウ本来の力を引き出すという哲学のもとで生産されます。ピノ・ノワールとアリゴテというシンプルな品種構成から、モレ・サン・ドニという村が持つ石灰岩の骨格とミネラルを忠実に映したワインが生まれます。クロ・ド・ラ・ロッシュ「キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ」はブルゴーニュ最長命の赤ワインのひとつとして評価が高く、その価値はポンソのワインを大量に偽造してワイン界に衝撃を与えた「ルディ・クルニアワン事件」(2013年有罪判決)という不名誉な形でも証明されています。「ブルゴーニュで最もアヴァンギャルドなドメーヌ」と称されながら、150年以上にわたる伝統を守り続けるポンソは、モレ・サン・ドニという村の歴史そのものを体現する存在です。