コート・ド・ニュイ / Côte de Nuits

コート・ド・ニュイ  - Wine Library

Côte de Nuits

ピノ・ノワールの聖域——ディジョンの南に連なる、ブルゴーニュ24のグラン・クリュが宿る黄金の丘

コート・ド・ニュイはブルゴーニュの中核をなすコート・ドール北部の産地で、ディジョンの南からニュイ・サン・ジョルジュの南端まで約20キロにわたって細長く続く石灰岩の斜面地帯です。幅はわずか250メートルから2キロ程度という極めて狭い帯状の産地でありながら、グラン・クリュ24畑を擁し、ブルゴーニュ全32グラン・クリュの4分の3が集中しています。3世紀にローマ人がこの地にブドウを植えたことに始まり、中世にはクリュニー修道院やシトー修道院の修道士たちが区画ごとのテロワールを体系的に研究・記録し、ブルゴーニュの格付け制度の原型を確立しました。ナポレオン・ボナパルトがシャンボール・ミュジニージュヴレ・シャンベルタンを特に愛したとされ、19世紀には各村が自らの最も有名な畑の名を村名に加えるという慣行が広まり、今日の村名が形成されました。

産地全体は東〜南東向きの緩やかな斜面に広がり、斜面上部の薄い石灰質土壌と中腹の泥灰土・粘土の複合構造が、ピノ・ノワールに最適な水はけと保水性のバランスをもたらしています。コート・ド・ニュイを貫く断層線がコンブ(乾いた谷)を形成し、村ごとに異なる微気候と土壌を生み出しています。主要な村は北から順に、マルサネ、フィサン、ジュヴレ・シャンベルタン(9つのグラン・クリュ)、モレ・サン・ドニ(4つのグラン・クリュ)、シャンボール・ミュジニーヴージョヴォーヌ・ロマネ(6つのグラン・クリュ)、ニュイ・サン・ジョルジュと続きます。

世界でここにしかないテロワールの概念——隣り合う畑が全く異なる個性を示す、コート・ド・ニュイの驚異

コート・ド・ニュイが世界のワイン産地の中でも特別な地位を占める理由は、隣接する区画でさえ全く異なる個性を示すという、他に類を見ないテロワールの多様性にあります。ロマネ・コンティラ・ターシュは同じドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティが手がけながら全く異なる個性を示し、シャンベルタンの力強さとミュジニーの優美さはコート・ド・ニュイという同じ産地から生まれるとは思えない対照をなしています。赤ワインがほぼ独占的に生産される(ミュジニーのごく少量の白ワインは例外)この産地では、ピノ・ノワールという一品種がテロワールによってどれほど多様な表情を持ちうるかを、世界で最も雄弁に示しています。コート・ド・ニュイのワインを探求することは、すなわちブルゴーニュというワイン文化の核心を探求することにほかなりません。