ドイツワイン特集
ドイツワイン特集
かつては甘口白のイメージが強かったドイツのワインですが、現在は総生産のうち7割は辛口、また全体の4割が赤ワインとなっています。
冷涼な気候で育まれるブドウを使用したドイツのワインには他の産地にはないほどの美しい酸を備えます。また、繊細な味筋のドイツワインは現代の素材を生かす繊細な味付けの料理とも相性抜群です。
重要産地
ドイツには13の生産地域があり、それぞれ気候や土壌が異なるため、各土地で個性豊かなワインを産み出しています。
代表的な産地としてはリースリングの銘醸地であるモーゼルとラインガウ、シュペートブルグンダーが有名なバーデン、ボックスボイテルと呼ばれる特殊な形の瓶が特徴のフランケンなどが挙げられます。
①モーゼル
中でもモーゼルでは最高級のリースリングが多く生み出されており、数十年の熟成に耐えうる偉大なリースリングの宝庫とされています。
モーゼル川に沿うように急斜面に造れれたテラス状の畑が多く存在し、水捌けの良さと日照量が増えることにより凝縮感に富んだワインが造られます。モーゼルで造られるワインは辛口から極甘口まで幅広くありますが、一貫してリースリングの鋭い酸は通ったエレガントで鮮明な味わいになることが多いです。残糖があったとしても高い酸度を持つため、甘ったるい印象にはならず上品に甘さを感じさせるバランスを保つことができます。
②ラインガウ
ラインガウの生産量の9割近くがリースリングというドイツ屈指のリースリング生産地。輸出向けの高品質なワインが多く造られておりドイツのワイン造りを牽引している地域の一つです。
様々な土壌が入り混じり、ライン川に沿って南向き斜面に畑が開墾しているため、直射に加え川からの反射光と蓄熱槽としての効果がありブドウが熟すのに十分な熱を確保しています。シュペートブルグンダーに最適な千枚岩スレート土壌の場所からは少量ながらふくよかで素晴らしい赤ワインも作られています。
③バーデン
バーデンではブルグンダー系品種が多く造られます。周囲に森が多く存在し冷涼な空気を遮断することで、ドイツ国内でもっとも温暖な気候を保つことができています。
火山質の土壌を多く持ちミネラル感に富んだエレガントな印象のブルゴーニュ系品種のワインが多く造られています。シュペートブルグンダーが生産量の4割近くを占め、力強い骨格と芳香を持つ赤ワインは世界的にも高く評価されており、WAで満点評価を獲得することも少なくない。温暖化によりさらに品質の向上が期待でき今後の成長にも注目が離せない地域です。