ピエリック・ブレ / Pierrick Bouley

Pierrick Bouley
一流生産者の手法を積極的に実践し品質に反映させる若き才能
元々ヴォルネイでR&P ブレという家族経営のドメーヌを営んでいたブレ家6代目として1987年に生まれたピエリック・ブレはボーヌの醸造学校を卒業した後、ニュージーランドの5つ星ワイナリーFelton Roadでビオディナミ農法とナチュラルな醸造方法について徹底的に学びました。2009年に家族のドメーヌに戻り2014年に完全に引継ぎました。2019年からはドメーヌ名に自身の名を冠してDomaine Pierrick Bouleyとしてワインをリリースしています。
ピエリックは非常に多岐にわたる醸造面での改革を行っています。ルロワやアルヌー・ラショー、CH.パルメが行っている手法、一般的な夏期剪定を行わないことによって伸び切ったつるを上部で編み込むトレサージュを実践し、さらには意欲的な生産者がこぞって採用している、樹液の流れを考慮した剪定方法であるギュイヨ・プーサールを採り入れています。これらの手法には諸説ありますが、主にホルモンの分泌や気象条件の記憶などを司るつるの先端部分を保持する狙いがあり、効果としてリンゴ酸や糖度が下がることで過熟を防ぐことができ、ブドウの実が小粒になるとされています。
そして、彼の特筆すべき点は、一流生産者の手法を積極的に取り入れるだけでなく実際にその効果を品質に反映させているところにあります。
ここ数年で品質が大きく飛躍
ピエリック・ブレのワインの評価は著しく高まっています。ブルゴーニュ専門家オースティン・オマーン氏によるWinehogの記事によると全体として品質の向上を見せるヴォルネイに置いても一際クオリティ面で飛躍を遂げているのが、ピエリックのワインだと言います。彼は記事の中で、ピエリックの2020VTを試飲しクラシックなヴォルネイかつ先進的で洗練されていると評価しています。2022年にはDecanter誌で「ブルゴーニュの若き才能-注目すべき10の生産者」に選出され、今後伝説的な地位を獲得する運命にあるとされる傑出した若き生産者と絶賛されています。