NV ピュイジュー レ・プティット・ヴィーニュ ピノ・ノワール / オーロール・カサノヴァ

Firadis

“The Artisans”-
－　世界が奪い合うシャンパーニュの職人的醸造家(アルチザン)たち　－

Aurore Casanova

プロバレリーナからの華麗なる転身

元バレエダンサーのオーロール・カサノヴァは、自身のシャンパン・ブランドを立ち上げるためにキャリアを、そして人生を変えた。再転向の「美しい物語」の一人である。この元バレエダンサーは、ボルドーのオペラ座でデビューし、バンコクからローマ、コペンハーゲンを経てサンフランシスコまで10年間舞台に立っていたが、2011年にトゥシューズを脱ぎ、剪定鋏を手にすることを決意した。Terre de Vins

異色の経歴の夫婦が造る今後追い続けるべき遊び心のあるシャンパーニュ

元プロバレエダンサーの妻、オーロール・カサノヴァと、医療分野で働いていた夫、ジャン・バティスト・ロビネ。異色の経歴を持つこの夫婦が営むワイナリーは、シャンパーニュ地方で今、注目を集めている。オーロールは世界的なバレエ団で活躍した後、自然豊かなシャンパーニュへの思いが再燃。表現者としての新たな道を"女性醸造家"として歩むことを決意し、2011年に故郷へ帰郷。一方、ジャン・バティストはブドウ栽培家の家系に生まれながらも医療分野に進み、カーボン製の義肢装具のデザインなどに携わっていた。
二人は2011年、アヴィーズでのブドウ栽培と醸造の研修で出会い、2013年に家族から受け継いだ畑を 基にドメーヌを設立。最初の数年間はメニルにあるガレージを間借りし、プレス機などの設備も周囲に借りながらワイン造りを開始した。2018年、念願のセラーをマルドゥイユに購入。古い蔵のため決して豪華な設備が整っているわけではないが、伝統的なバスケット・プレスを備え、理想とするワイン造りを実践できる環境を整えることができた。彼らのシャンパーニュは、L’Assiette Champenoise（ランス／三ツ星）やJordnaer（デンマーク／三ツ星）といった世界の星付きレストランでも採用されている。さらに、2023年からはシャルトーニュ・タイエやアグラパールなど、シャンパーニュを代表する一流生産者が所属する団体「テール・エ・ヴァン・ド・シャンパーニュ」の一員にもなった。今後ますます注目を集めることは間違いないが、生産本数はわずか22,000本程度と非常に限られている。

「繊細な骨格でありながら力強く、凝縮感と緻密さがありながらも軽やかさを保ち、”遊び心がある”と言いたくなるほど。今後もカサノヴァの活動を追い続けるのが楽しみだ。」Wine Advocate

 Puisieulx Les Petites Vignes Pinot Noir

グラン・クリュ、ピュイジュー内のリュー・ディ「レ・プティット・ヴィーニュ」に植わるピノ・ノワールを使用。1968～1969年にマサル・セレクションで植樹された区画。 輝きのある濃いゴールドの色調。口に含むと複雑でエレガントな味わい。赤系果実の爽やかな酸味と、砂糖漬けフルーツの風味が絶妙に調和。塩味と引き締まった苦味が余韻を引き締め、緊張感のある長いフィニッシュへと導く