ワイン選びに役立つ Vieilles Vignes (ヴィエイユ・ヴィーニュ)とは
ワインのエチケットに"Vieilles Vignes"や "V.V."と書かれているのを見たことはありますか?
これは日本語で「古い樹」を意味し、そのワインの原料になるブドウが古きになっていたブドウであるということを意味する表記です。この表記については、原則な定義はなくおおよそ樹齢30年以上なら表記しても良いといった曖昧な基準で定められます。下記の2つのぶどうの樹の写真を見てください。品種や撮られた季節などの違いはありますが、幹の部分を見ると古木であることがワインに何らかの違いをもたらすことがわかるくらいに大きく違っていると感じてもらえると思います。
古木
若木
では実際に、古木から取れるブドウはどう違っているのか。結論から申し上げるとワインの複雑さと深みが増します。具体的にその理由について古木の特徴から3つあげていきます。
古木は
①長い年月をかけて根が地中深くまで伸びている
②年月の経過とともにつける房の数が減少する
③果実を守るための果皮が厚く色素量が増加する
まず、地層は何層にも重なっており、地層上部の養分のみ吸い上げる若木に対して何層もの地層に根を届かせる古木はミネラルや養分を若木以上に吸い上げることができます。さらには葡萄の木が古くなればなるほどになる果実の量は減っていきます。その結果、一粒あたりに行き渡る養分の量が増え、さらには粒ひとつひとつへの日当たりも良くなり出来の良いブドウが成ります。
また長年太陽光にさらされる古木はつける果実の果皮が厚くなる傾向にあります。果皮には色素成分が多く含まれており、出来上がるワインは色が濃く丈夫な骨格を持った力強いワインになります。中には樹齢100年を超える樹からワインを造るワイナリーもあるくらいにワイン造りにおいて古木であることは大きな要素となっています。
古木表記は各国で様々な呼ばれ方をします。それぞれの表記を覚えておいてワイン選びの際に役立てていただけると光栄です。
Old Vine(英/米)、Vieilles Vigne(仏)、Vecchie Vigne(伊)、Viñas Viejas(西)、Alte Reben(独)