バシュレ・モノ〜割り当て生産者の意外と知られていない注目に値する圧巻のピノ・ノワール〜

Bachelet Monnot

バシュレ・モノは、ドメーヌがあるマランジェを一気に注目の産地にのし上げた造り手で各評論誌でも取り上げられる大人気生産者です。彼が造る白ワインはコント・ラフォン やルーロ、ピエール・イヴ・コラン・モレなどと比較されるほどの評価を獲得しており、ここ数年でその地位を確実なものにしています。

 これまでマランジェのワインが評論誌で点数をつけられることなど稀でしたが、世界的な評論誌はほとんどがバシュレ・モノのワインに90点を超える安定した評価をつけており、その注目度がわかります。WAでは「もしバシュレ・モノを試いらなければ、今が知るべき時である」、Wine Reportでは「PYCMに次ぐ次世代を代表するスターの一人」と、その高い期待値を表しています。

 2005年設立のバシュレ・モノは当初より上質なワインをリリースしていましたが、2017年ごろからは数段階レベルアップした印象にあります。バシュレ・モノの完成形が出来上がりつつあるように感じます。

今回は、白が取り上げられることが多いバシュレ・モノのピノノワールを試飲しました。生産量の約95%が赤ワインのマランジェにドメーヌを構えるだけあって赤も非常にいうまく作ります。そしてまだあまり知られていないため、価格も現時点では控えめで、おすすめの狙い目と言えます!

2019 Pommard Les Chanlins 

 バシュレ・モノはヴィンテージとキュヴェによって全房比率を変えており、ポマール レ・シャンラン2019 では50%の全房発酵を行なっております。シャンランはリュジアンに隣接したヴォルネイ寄りの畑で、シャンランの一部もプルミエ・クリュを名乗ります。

色調は淡い透き通るルビーで全房による通しの良い味わいが期待されます。香りは豊かで、フレッシュな赤果実やバラのクリーンな香りに、適度に還元のスモーキーなニュアンスがあります。蝋キャップで封をしているところからも還元的な醸造を目指していることがわかります。徹底した還元的なワイン造りは近年のスター生産者に共通しており1990年代のプレモックスのワインを多くみてきた結果でしょう。 *プレモックスについてはこちら

抜栓直後から開いており、時間の経過と共にハーブや爽やかな全房のニュアンスが加わり表情を変えていきます。味わいは非常にピュアで洗練された果実とミネラルで構成されており、グリップの効いたタンニンが骨格を力強く構成します。

暑いヴィンテージのワイン造りが得意な印象のあるバシュレ・モノですが、2019年も素晴らしいワインを作りました。

現時点で既に飲み頃に達していますが、今後数年間にかけて飲み頃は続くと予想されるしなやかなスタイルです。