イグレック デュ シャトー ディケム 〜甘口ワインの世界最高峰イケムが造る偉大なボルドー・ブラン〜
Y du Ch. d'Yquem 2018
世界一の甘口ワインと言われた時に、おそらく多くの人が思い浮かべるのがソーテルヌの第一特別級に唯一格付けされているCh. ディケムでしょう。
一本のブドウ木からグラス一杯分という異常なまでにストイックに造られるため手が届かないほど非常に高価です。それでも、他にもドイツのTBAやハンガリーのトカイワイン、アルザスの遅摘ワインなど様々な上質な甘口はあれど、これほどまでに神秘的で多くの人を虜にしてきたワインはない、と私自身も思います。
Y de Chateau d'Yquemはそのイケムが造る辛口ボルドーブランです。辛口とは言いつつ、甘口同様の極めて低収量のため、この上ない類稀な凝縮感からはっきりとした果実の甘みを感じます。2004年までは、貴腐化が完全には行われずソーテルヌを造れなかった年や、辛口を作るに適したヴィンテージのみのリリースでした。シュヴァル・ブランのピエール・リュルトン氏を招き栽培の体制や整備が整った2004年以降は今のところ毎年リリースされています。2018年のイグレックの評価は出ていませんがW.A.のイケムの評価は96と高く恵まれた天候であったことがわかります。
セパージュは基本的にSB75%とセミヨン25%ですが、最終的な決定はテイスティングによって行われるのだそうです。
味わい
イグレックはイケムと同様に貴腐特有の香りを持ち、パイナップルやパッションフルーツ、アプリコット、白桃などの濃厚で暖かく甘い果実の香りが豊かに立ちこめます。また、ボルドー・ブランとしては珍しくオークをしっかりと使用するのでリッチなローストやナッツ、バニラのニュアンスもはっきりと出ます。
蜜のように少しとろっとした質感で舌先にはっきりと甘さを感じるほどの果実の凝縮感があります。非常にコクがありリッチな味わいですが、程よい酸の支えもあり、飲んでいてくどさやしんどさをかんじることはあまりありません。ブドウの糖度が高いため、必然的にアルコール度数が高くなり非常に力強い印象を抱かせます。赤ワインを飲んだ後でも全く負けることなく、むしろそれが正しい順番とまで思えるほどリッチで豊潤なワイン。
甘口同様に類稀な凝縮感と圧倒的なスケールを持つイグレックは、他のワインに例えようがなく唯一無二の体験となると思います。また2018Vtはフランス全体で非常に暑かったこともありイグレックのリッチな特徴がこれまでにないほど際立って出ています。
7月中は大特価にて販売しておりますので是非一度体験してみてください。