アルフォンス・メロ / Alphonse Mellot

Alphonse Mellot
500年の歴史を持つサンセール最高峰の造り手
アルフォンス・メロはサンセールを代表する素晴らしい生産者です。フランスを代表するワイン評価誌が揃って「DRC」 や「イケム」に並ぶ最高評価を与えています。ワイン造りの歴史は1513年の古文書に葡萄栽培とワイン造りを行っていたとの記載があり、1698年にセザール・メロはフランス王ルイ14世のワインアドバイザーに認定されるなど、既にこの地を代表するワインの造り手として知られています。アルフォンス・メロは19世紀の始めにはサンセールにオーベルジュ(宿泊施設付きのレストラン)を開設し、1881年には海外にワインを販売するライセンスを取得し世界に市場が広がりました。その後、代々、父から息子にファミリービジネスは引き継がれると共にアルフォンス・メロの名前が世襲されることになる。現在は18代目と19代目が家業を守り育てています。
代々、メロ家の長男は創設者と同じ名前を世襲するので、現在の18代目と19代目ともにアルフォンス・メロと名乗っています。次期当主となる19代目、アルフォンス・エドモン・メロは伝統を継承しつつも、常に新しいことを試みています。彼はサンセールでは珍しく、白ワインの醸造にオーク樽を使用しています。この樽は特注で、シュール・リーをするのに澱がより多くの液面と接するために、通常の樽より横が長く造られています。これにより通常より豊潤で複雑な果実味になるといいます。
所有畑は丘の頂上の南西向き斜面に広がり、総面積は約50haで、ソーヴィニヨン・ブランが41ha、ピノ・ノワールが9ha、すべてビオディナミで栽培されていることが特徴です。土壌が多様なサンセールでは、同じソーヴィニヨンでも個性のまったく異なるワインを造る事ができます。そんなサンセールの複雑なテロワールの表現を重視し、毎年区画毎に細かく分け、数多くのキュヴェをリリースしています。
最も多く所有するのはキンメリジャンの区画。貝の化石を含む粘土石灰質で、パワフルで長期熟成タイプのサンセールに仕上がります。白亜紀セノマニアンの区画はシレックスを含む重めの粘土が主体で、鋭いミネラルと骨格を持つ男性的なサンセールに、ジュラ期オックスフォーディアンの区画は、小石を多く含む石灰質。バランスが良く比較的若くから楽しめるサンセールとなります。
どのキュヴェも、彼らが重視するミネラルが主体となる味わい。ブルゴーニュワインの様に、テロワールの強さが感じられるワインです。
以前は複数区画の葡萄をアッサンブラージュしていたが、90 年代以降はアッサンブラージュをせずに区画毎にキュヴェをリリースしています。全ての区画で、収穫量を抑え、植樹率を増やすことによって、テロワールの個性を最大限に表現しています。