白ワインができるまで

白ワインができるまで-Wine Library

赤ワインに続き、白ワインができるまでについて書かせて頂こうと思います!♢♢♢🍾

私自身、ワインの製法をちゃんと知るまでは、ぶどうジュースみたいな感じかな~と想像していたワインの作り方ですが、気になってもなかなか注目しないと知る機会ないかと思います。

このコラムを読んでいただけたら、きっと楽しく知識を深めていただけるかと思いますので、ぜひお役に立てればと思います。

前回同様、ワイン初心者の方でも分かりやすいように

白ワインのつくられ方についてまとめてみましたので、

よろしければ赤ワインとあわせて!

既に読んでくださった方は重なる部分もあるかと思いますので、

復習もかねてぜひ読んでみてくださいね^^

 

まずは白ワインとは何かという部分から解説していきたいと思います♪


⒈白ワインとはなにか

 白ワインは、世界中で最も広く飲まれているアルコール飲料のひとつであり、日常的な食卓から特別な晩餐まで幅広く楽しまれています。その魅力は単に爽やかな飲み口や豊かな香りにとどまらず、その背景にある「製法の特異性」にあります。赤ワインと比べたとき、白ワインは色や味わいだけでなく、醸造方法の根本に大きな違いがあります。特に「果汁のみを発酵させる」という工程が白ワインを特別な存在にしているのです。赤ワインは果皮や種子とともに発酵させるために濃い色合いとタンニンを得ますが、白ワインは果汁のみを低温で発酵させることで、透明感のある色調と繊細な香りを持ちます。この違いを理解することは、白ワインの魅力をより深く知るための出発点となります。

 白ワインの色合いは、無色透明に近い淡いものから、黄金色や琥珀色に近い濃厚なものまで幅広く存在します。色の違いはぶどうの品種や栽培条件だけでなく、醸造時の酸化管理、発酵容器の素材(ステンレスタンクかオーク樽か)、さらには熟成方法によっても変化します。たとえば、樽発酵されたシャルドネはやや濃い黄金色を呈し、蜂蜜やバター、ナッツのような複雑な香りを持ちます。一方、ステンレスタンクで管理されたソーヴィニヨン・ブランは緑がかった淡い色調で、柑橘やハーブを思わせる爽快な香りを表現します。このように白ワインは、醸造の小さな選択ひとつで表情を大きく変える繊細な飲み物なのです。

 また、白ワインはその味わいの幅広さでも特別な存在です。初心者が抱きがちな「白ワイン=軽くてフルーティー」という印象は一部に過ぎません。辛口のリースリングのように鋭い酸味をもつものもあれば、貴腐ワインやアイスワインのように極めて甘美なデザートワインもあります。さらに、同じ品種であっても産地や醸造家の哲学によって驚くほど違う個性が生まれるのです。ワインの世界では「白は軽く、赤は重い」と単純化されがちですが、実際には白ワインにも重厚で長期熟成に耐えるスタイルが存在します。たとえばブルゴーニュ地方の偉大な白ワインは、樽熟成による厚みと複雑さを備え、数十年の熟成を経て素晴らしい味わいを示します。

 このような多様性を理解するうえで欠かせないのが、白ワインの「作り方(醸造法)」です。収穫されたブドウを圧搾して果汁を抽出し、その透明な液体を発酵させるという基本的な工程はどのワインにも共通しています。しかし、圧搾の強さ、発酵温度の設定、酵母の種類、樽の使用の有無など、無数の選択が最終的な味わいを決定します。これこそが白ワインが「自然の産物」であると同時に「人の技術の結晶」であるゆえんです。

 初心者にとっては、白ワインの魅力はまず「飲みやすさ」にあるでしょう。赤ワインに含まれるタンニンは渋みや苦味として感じられることがありますが、白ワインは一般的にそれが少なく、酸味や果実味が前面に出ます。そのため、爽やかな柑橘の香りやフローラルなアロマを直感的に楽しむことができ、ワインの世界に入る第一歩として理想的です。一方で中級者にとっては、製法や熟成の違いを知ることで、同じ品種のワインを比較して深い理解を得られるのが白ワインの面白さです。シャルドネ一つとっても、ブルゴーニュのシャブリ地方ではミネラル感と酸味が際立つ辛口に仕上がり、カリフォルニアでは熟したトロピカルフルーツや樽由来のリッチな香りをもつ白ワインとなります。こうしたスタイルの違いを見抜く力が身につくと、ワインを選ぶ楽しみが格段に広がるのです。

 赤ワインとの違いに注目すると、白ワインの特性がさらに鮮明になります。赤ワインは果皮・種子とともに発酵するためにポリフェノールを多く含み、濃厚な色合いと渋みを持ちます。それに対して白ワインは果汁のみを発酵させることで透明感のある味わいを実現し、料理との相性においてもより柔軟性を持ちます。白身魚やサラダ、チーズはもちろん、アジア料理やスパイスの効いた料理にも幅広く対応できるのは、白ワインの酸と果実味が食材を引き立てるからです。

 このように白ワインは、軽快さから重厚さまで幅広いスタイルを持ち、赤ワインと比較しても独自の魅力を放ちます。そして何より、白ワインを理解することは「作り方を知ること」から始まります。ぶどうの果皮を取り除き、果汁のみを丁寧に扱うというシンプルながらも繊細な工程が、グラスに注がれる一杯の個性を形作っているのです。これから先、発酵や熟成といった具体的な製造工程を学ぶことで、白ワインの奥深さがさらに鮮明に見えてくるでしょう。

 

💫さて少し長くなってしまいましたが、

前回の復習をすると、赤ワインでは赤色をつくるためには皮を一緒に漬け込むことで色をしっかり出しているんでしたね!

ということで、白ワインはその逆で

皮、種子を分離して果汁のみを醗酵させてつくられているんです! 

この違いを押さえてしまえば、赤白ワインの醸造法はもうほぼバッチリです!!!☆彡

次はいよいよ白ワインの製造過程について解説していきますが、その初めの一歩としての代表的な品種や収穫時期について詳しく見ていきましょう♫


2.ブドウの収穫と選別:白ワイン造りの第一歩

 白ワインの醸造において、最初の重要なステップが「ブドウの収穫と選別」です。ワイン造りは畑から始まると言われるように、どれだけ優れた醸造技術を持っていても、健全で熟したブドウがなければ高品質な白ワインは生まれません。逆に、良質なブドウを収穫できれば、シンプルな醸造であっても調和のとれた味わいを表現することができます。

 白ワインの味わいは、ブドウを収穫するタイミングによって大きく変わります。糖度が上がりすぎるとアルコール度数が高くなり、酸味が弱まって重たい印象になる一方、早すぎる収穫では青っぽさや苦味が残ってしまいます。収穫期の見極めは品種ごとに異なり、数日の差が最終的なワインの表情を大きく左右するのです。

 たとえばシャルドネは、早めに収穫すると柑橘系の爽やかな酸味が際立ち、遅めに収穫するとトロピカルフルーツの濃厚な香りが現れます。ブルゴーニュを代表する品種であり、樽熟成による奥深い味わいを楽しめるのも魅力です。

代表的な生産者としてドメーヌ・ルフレーヴコント・ラフォンが有名です。

 

     

 

 

 

 

 また近年では温暖化の影響もあり、イツのバーデンなどでもベルンハルト・フーバーらを中心に品質の高いシャルドネが生産されています。

 

 ソーヴィニヨン・ブランは、冷涼な産地での早めの収穫によってハーブや青リンゴのようなフレッシュな印象が強調されます。鮮やかな酸と香り高さで人気を集める代表的な造り手がロワール地方のディディエ・ダグノーです。ソーヴィニヨン・ブランはニュージーランドなどでも広く栽培され、特にグレイワッキは品質が高いことで知られています。

 

 リースリングは冷涼な気候に適しており、酸をしっかりと保持しながら、時に長期熟成にも耐える個性を発揮します。アルザスやドイツの代表的品種として知られ、日本でも人気があります。実際に体験するなら ルシアン・アヴェのリースリング のようなボトルがおすすめです。

このように、品種ごとの特徴と収穫時期の違いを理解すると、白ワイン選びはぐっと奥行きを増します。

 

♪やはり長くなってしまいましたが、

収穫のポイントは「糖度が上がりすぎるとアルコール度数が高くなり、酸味が弱まって重たい印象になる一方、早すぎる収穫では青っぽさや苦味が残ってしまいます。収穫期の見極めは品種ごとに異なり、数日の差が最終的なワインの表情を大きく左右する」ことです!!!

ついついワインについて調べてしまうと面白くなってしまいます(汗)

他にもシャルドネやソーヴィニヨン・ブラン、リースリングといったブドウ品種によって個性が別れることも確認しましたね〜♫

さて、次はいよいよ選果から瓶詰めまで一気に解説したいと思います!

 

⒊選果から瓶詰めまで

選果

 収穫されたブドウはそのまま発酵に使われるわけではありません。ワイナリーでは「選果」と呼ばれる工程を経て、未熟果や傷んだ果実を取り除きます。この作業によって健全で均一な品質の果実だけが醸造に回されます。近年では光学センサーを用いた最新の選果機も導入され、粒単位での精密なチェックも可能になっています。こうした選果を徹底することで、果汁には余計な雑味がなくなり、発酵や熟成を経てもブドウ本来の個性が表現されやすくなるのです。

圧搾

 白ワイン造りにおいて、ブドウの収穫と選別を終えた後に待っているのは、圧搾によって果汁を取り出す工程です。白ワインは赤ワインと異なり、果汁のみを用いて発酵を行うため、この圧搾の段階でいかにピュアな液体を得られるかが、その後のワインの質を決定づけます。果皮や種子から余分な成分を取り込まずに、香り高く澄んだ果汁を得ることが、白ワインの透明感や繊細さを支えるのです。圧搾には伝統的な木製のプレスや、現代的な空気圧式の機械などさまざまな方法があります。どの手法を選ぶかによって果汁の質感が変わり、強すぎる圧をかければ渋みや苦味の原因となる成分が流れ出す一方で、やさしい圧搾であれば繊細で雑味の少ない果汁を得ることができます。圧搾直後の果汁は濁りを含んでおり、これをマストと呼びます。マストには果皮の小片や微細な不溶物が浮遊しているため、醸造家はすぐに冷却処理を行い、酸化や雑菌の繁殖を防ぎます。この段階で少量の二酸化硫黄を添加することも一般的で、これは品質保持のための大切な処置です。シャンパーニュの名匠として知られるジャック・セロスのような造り手は、圧搾から徹底的に酸素との接触を管理し、透明感のある果汁を導き出すことで、後の発酵や熟成においても独自のきめ細やかさを表現しています。

発酵

 圧搾を経た果汁は次に発酵という大きな転換点を迎えます。発酵は酵母が果汁中の糖分をアルコールと二酸化炭素へと変換する過程であり、ワインの誕生そのものといえる瞬間です。白ワインの場合、このプロセスはおおむね十二度から二十二度の低温で行われます。低温で管理する理由は、ブドウが持つ繊細な香りや果実味を失わないためで、温度が上がりすぎればアロマが揮発してしまい、平板で鈍重な風味になってしまうからです。発酵に用いられる容器にはステンレスタンクと木樽があり、それぞれが異なる個性を与えます。ステンレスタンクは温度管理がしやすく、ソーヴィニヨン・ブランのようなアロマティック品種のフレッシュさを生かすのに適しています。たとえばシルヴァン・パタイユのキュヴェは、ステンレスタンクによる発酵と熟成を通じて果実本来の香りを最大限に引き出した好例です。一方で、木樽で発酵させると、バニラやトーストのようなニュアンスが加わり、口当たりに厚みが生まれます。シャルドネにおいては特にこの手法が重視されており、ピエール=イヴ・コラン=モレのブルゴーニュ白は樽発酵の奥深さを示す代表的な一本です。

 さらに、白ワインの一部ではマロラクティック発酵と呼ばれる工程が行われます。これは乳酸菌の働きによってリンゴ酸が乳酸へと変換される過程であり、酸味が和らぎ、ワインにクリーミーでまろやかな印象が加わります。樽熟成されたシャルドネに特有のバターのような風味は、この発酵によるものです。発酵期間は通常一週間から三週間ほどで終了しますが、その間の温度や酵母の種類、管理方法によってワインのスタイルは大きく異なり、軽やかで爽やかなものから、重厚で複雑なものまで幅広く造られます。

熟成

 発酵を終えたワインは、そのまま瓶詰めされる場合もありますが、多くの場合は「熟成」という段階を経ます。熟成とは、ワインにさらなる調和や深みをもたらす時間であり、使う容器や方法によって風味は大きく変化します。ステンレスタンクで熟成させれば酸化を抑え、果実のフレッシュさをそのまま保つことができます。この方法はリースリングやアルバリーニョのような品種でよく用いられ、爽快で香り高い白ワインを造るのに適しています。一方、オーク樽で熟成させれば、新樽ではバニラやスパイスの香りが加わり、古樽では酸化熟成による複雑なニュアンスが付与されます。さらにシュール・リーと呼ばれる澱との接触を行うと、酵母由来の旨味がワインに溶け込み、クリーミーで厚みのある舌触りを生み出します。ロワール地方のミュスカデはこの手法で名高いスタイルを示しており、熟成と澱との関わりがいかに味わいを変えるかを理解するには格好の例となります。アントワーヌ・リエナルトのブルゴーニュ白もまた、樽熟成によって果実味と樽香を絶妙に調和させた一本として知られています。

 熟成を終えた白ワインは、そのままではまだ濁りを帯びています。消費者に届ける前に必要となるのが清澄と濾過の工程です。清澄は、卵白やカゼイン、ベントナイトといった物質を添加して、ワイン中の微細な不純物をまとめて沈殿させ、上澄みを透明にする作業です。これによって見た目の美しさが高まるだけでなく、余分な渋みや雑味が取り除かれます。続く濾過ではフィルターを通すことでさらに安定性を確保し、微生物や懸濁物の混入を防ぎます。ヴィーガン向けの白ワインでは、動物由来の清澄剤を用いず、ベントナイトのような非動物性の物質が使用されることも増えています。こうした細やかな工程を経て、ワインはより洗練された姿へと近づきます。

瓶詰め

 瓶詰めの段階では、酸化を防ぐために空気との接触を極力抑えながら作業が進められます。多くの造り手は、品質保持のために瓶詰め直前にごく少量の二酸化硫黄を添加します。さらに、熟成の異なる樽やタンクで造られたワインをブレンドし、最終的なスタイルを整えることもあります。こうして造り手の意図が反映された完成形がボトルに収められるのです。シャンパーニュやブルゴーニュの白ワインなどは、瓶詰めの段階でそのキャラクターが確立され、消費者のもとに届けられます。シャルル・ヴァン・カネイの白ワインのように、透明感と熟成感を併せ持つ仕上がりは、この最終工程の丁寧さによるものです。

 

 圧搾から発酵、熟成、清澄、濾過、瓶詰めに至るまでの一連の流れは、単なる技術の積み重ねではなく、ブドウが持つ可能性を最大限に引き出すための緻密な対話といえます。醸造家は一つ一つの工程で判断を下し、その結果がグラスに注がれる白ワインの個性となって現れます。透明感のある酸味を生かすか、樽由来の厚みを与えるか、あるいはフレッシュさを最優先にするか。こうした選択の積み重ねによって、世界中の多様な白ワインが生まれているのです。

 

 このような過程を経て白ワインは作られていくんですね。

たくさんの工程がありますが、工程1個1個に注目してみると、単純で案外わかりやすいですよね^^

余裕がある方は単語とともに是非覚えて見てみてくださいね!

ではまた次回お楽しみに~!^^

土田のぞみ