サロン/Salon

サロン-Wine Library

Salon

ブラン・ド・ブランの最高峰

 Salon(サロン)は、シャンパーニュ地方コート・デ・ブラン(Côte des Blancs)、特にグラン・クリュ村ル・メニル=シュル=オジェ(Le Mesnil-sur-Oger)を拠点とする最高峰のブラン・ド・ブラン専門メゾンである。創業者は Eugène-Aimé Salon であり、彼は19世紀末から20世紀初頭にかけて「ピノ・ノワールやピノ・ムニエを加えることなく、シャルドネだけで最高のシャンパーニュを造る」ことを志した。最初のヴィンテージは1905年であり、1921年には商業的なリリースを始めている。Salon は「単一村」「単一品種」「単一年ヴィンテージ」「最高のテロワール」からのみ造られることを自らの信条としており、標準年にはリリースをしない。つまり、ヴィンテージが優れていると判断された年にのみ、Salon の名前でシャンパーニュが市場に出る。

 栽培と醸造に関しては、シャルドネ100%で、売買契約農家(契約栽培家)からのブドウとメゾン所有の一部区画 “Jardin de Salon”(およそ1ヘクタール)からのものを使用。ブドウの平均樹齢は25年ほどだが、古い区画には40年を超えるものもある。 醸造はステンレスタンクで行われ、樽の使用は避けられてきた。熟成期間は長めで、平均して 瓶内熟成 + 澱(lees)状態で約10年を経てから出荷される。 生産量は非常に限られており、一ヴィンテージあたり最大 約60,000本 以下となることが多い。

 Salon のスタイルの特徴は、きわめてクリアで透明感のあるシャルドネの表現、鋭い酸、ミネラルの芯があり、余韻は深く長い。そして熟成が進むにつれ白い花や柑橘、リンゴや洋梨の果実味、白い花香、石灰・貝殻・潮風を思わせる塩味や海洋性のニュアンスが現れることが多い。なお、泡のきめ細かさとテクスチャーの滑らかさ、温度の低いうちからの爽やかさと、熟成後のコクと複雑さのバランスが非常に高い。

 Salon は Laurent-Perrier グループの一員であり、Delamotte と姉妹メゾンである。所有構造や経営は変遷してきたが、オーナー変更後も創業者の理念である「選りすぐりのヴィンテージ」「シャルドネ100%」「洗練されたテロワール表現」を守り続けている。

代表的なキュヴェ

2012 ブラン・ド・ブラン

2013 ブラン・ド・ブラン