商品名(原語) |
Vosne Romanee 1er Cru Les Beaux-Monts |
---|---|
タイプ | 赤/ 750ml |
産地 | France / Bourgogne / Vosne Romanee |
生産者名 | Jean-Louis Raillard |
生産年 | 2023 |
ぶどう品種 | Pinot Noir |
輸入元 |
VIVIT |
備考 |
お届けするヴィンテージは2023年でございます。 |
JEAN-LOUIS RAILLARDミニマルな醸造を貫くヴォーヌ・ロマネの小さな巨人 ピュアでエレガントな造りのパイオニアジャン・ルイ・ライヤール氏は、1989年にロマネ・コンティで働いていた両親からドメーヌを継承しました。栽培面積1.4ha弱、総生産量約8千本と極めて小規模ながら、1968年の元詰め開始以来、全房発酵によるピュアでエレガントなワイン造りの先駆者として知られています。 教師が造る時代を映す鏡のようなワインライヤール氏は長年ボーヌの農業専門教育センターで栽培・醸造の教師を務め、多くの造り手を輩出してきました。彼のワイン造りは「流行を追う」のではなく「時代を映す鏡」のようです。全て手作業の醸造、野生酵母による自発的発酵、煎じるようなソフトな抽出、控えめな亜硫酸添加など、今日「ニューノーマル」とされるミニマルな醸造手法をずっと以前から実践しています。これにより、淡い色調、しなやかなテクスチャー、優しい香り高さ、そしてエキスの旨みが染み出すピュアでエレガントな味わいのワインを生み出しています。 ドメーヌについてドメーヌの元詰めは1968年、ジャン・ルイ・ライヤール氏の両親の時代にブルゴーニュ・ルージュから始まりました。それ以前は全ブドウをネゴシアンに売却していました。ジャン・ルイ氏は1985年から醸造に携わり、1989年にドメーヌを完全に継承。現在は栽培面積約1.4ha、年間総生産量約8千本と小規模です。 栽培はビオロジックで行い、年に4〜8回の耕耘を実施。醸造は全て手作業でポンプを一切使わず、ゆっくりと時間をかけます。赤ワインの発酵はグラスウールの発酵槽で野生酵母のみで行い、最初の1〜2日は足でピジャージュ、発酵中間にルモンタージュを行います。全房比率は10〜50%で、熟成はバリックでシュール・リーの状態で行います。瓶詰め約1ヶ月前の高気圧時に1回のみ澱引きし、1ヶ月後の高気圧時に無清澄・ノンフィルターで重力により直接樽から瓶詰めします。醸造中の亜硫酸添加は控えめです。 全房発酵について全房発酵には、完熟した果梗が必要です。ドメーヌでは毎年、最も熟す区画や全房に適した区画を見極めて収穫します。全房ブドウを発酵槽の深部に置くことで、粒内で発酵が起こり、内部が高温に保たれてアルコール発酵が長くなります。これにより最適な抽出が行われ、異なる成分が自然に結合し、果梗が急激な温度上昇を抑え、固体と液体のバランスを保ちます。 機械によるピジャージュやポンピングオーバー、激しい攪拌はピノ・ノワールのアロマを損なうため行わず、足でソフトなピジャージュにより揮発性の高いアロマをワインに残します。果粒内発酵のマストは、圧搾で凝縮したアロマを生み出し、フレッシュなレッドフルーツのアロマを除梗部分にも広げます。発酵後、果梗が深い赤色に変わるのは、色素とアルコールを捕獲したためで、ワインの色調がやや薄くなることがあります。果梗は水分を放出しますが、樹齢60〜80年を超える古木が多いドメーヌの畑は水分が少ないため、全房発酵に適しています。 また、果梗との発酵は、樽熟成中に皮や果梗が不快なアロマや還元反応の原因となる大きな澱や沈殿物を捕らえるため、ワインが自然に澱引き・清澄される利点があります。これにより樽に移されたワインは清澄度が高く、マロラクティック発酵終了後も澱引きや樽の移し替え、ポンプ作業を一切行わず静かに熟成でき、無清澄・無濾過での瓶詰めが容易になります。 醸造について(補足)ドメーヌでは発酵槽からワインを引き抜く際、機械を使わず手作業で小さな桶を使用します。これにより、ブドウの皮や種、果梗を過度にこね回さず、非常にソフトな圧搾が可能となり、不快なえぐみや苦味成分が付かず、ワインに過剰なストレスを与えません。 バリックでの熟成においては、焼きのややしっかりした新樽の比率を高めにしています。これは、発酵中と発酵後の果皮浸漬の際、特に醸造温度が30度を超える際に抽出されるブドウの種由来のタンニンを補完する、しっかりと溶け込んだタンニンと微かな焼いた木のニュアンスをワインに付与するためです。 ドメーヌでは熟成中にバトナージュは行いません。澱は低気圧時にはワイン中に均等に浮遊し、高気圧時には樽の底に沈殿するため、バトナージュと同じ効果を自然にもたらしているからです。この特性を利用し、瓶詰め1ヶ月前の高気圧時に澱引きを行い、瓶詰め時期も高気圧時になるよう計画しています。ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティも同様の方法を採用しています。 一般的に熟成中、澱がワインの重さで潰されるためバトナージュが必要と言われますが、ドメーヌではシュール・リー熟成で問題は発生していません。一部ドメーヌで澱引きをしないことで還元問題が生じるのは、SO2の過剰添加が原因と考えられます。 また、ポンプを使ってワインを取り扱うことは決してありません。瓶詰め前にワインを樽から引き抜く際もポンプは使わず、樽上部の穴からの空気圧でワインを押し出す自然な方法で行います。この方法により、瓶詰め時のSO2添加量を微量に抑え、ワインのアロマを全て残すことが可能です。 ドメーヌでは、ワインのアロマを熟成過程における最優先事項の一つと考えています。シュール・リーで静かに熟成させることで、新鮮な果実のアロマをしっかりと残しながらも、焙煎や燻した香り、トーストのようなトリュフに近い香りもより多く引き出せるのです。 SO2についてSO2の添加量を少なくするには、可能な限りブドウとワインの酸化を防ぐことが重要です。ドメーヌでは以下の点に留意し、SO2添加量は年々減少しています。
|