モンテ・デイ・ラーニ

モンテ・デイ・ラーニ - Wine Library

Monte dei Ragni

ヴァルポリチェッラで一際突き抜けたワインを作る優良生産者

モンテ・デイ・ラーニの創業は1900年と古く、1997年に現当主のゼーノが継承しました。ゼーノは「ブドウの周囲にある環境の多様性が、ワインに複雑性を与える」という信条の持ち主で、所有する8haのうちブドウ畑はわずか2ha。残りの土地には洋梨、サクランボ、穀物、オリーヴなどを、ブドウ同様にビオロジックで栽培し、耕作も馬で行います。さらに、馬での耕作やポリカルチャーについて農業セミナーで積極的に講演を行ったり、環境多様性のための調査活動に積極的に協力するなど、地域貢献にも情熱を傾けます。

ブドウ畑で行なっている細かい気配りは、カンティーナで行なわれる作業、例えばしなやかなピジャージュや丁寧な圧搾、有益な樽の使用などにも共通します。機械式のポンプは使わず、タバコの葉を栽培し、煎じて虫よけに使ったり、自転車を改造して手押しの耕作機を造ったりと独創的な手法は、彼のワインの魅力に体現されています。ゼーノの意志的な頭脳の働きと明快な行動原理が、彼のワイン造りであるといっても過言ではありません。

カルト的人気を誇る長期熟成ヴァルポリチェッラ

彼の手掛ける長期熟成型のワインは、現代ヴァルポリチェッラ随一との呼び声も高く、各国のイタリアワインラヴァーたちからカルト的人気を集める。長期熟成とは言え十分に時間をかけてからリリースするので、飲み手が何年も待つことを強いられることはありません。地域の生産者や各国のプロフェッショナルからの評価の高さとは裏腹に、モンテ・デイ・ラーニはごく小さなイタリアの農家で、ゼーノは「ブドウの周囲にある環境の多様性が、ワインに複雑性を与える」を信条に、所有する2haのブドウ畑から年産5000本前後のワインを生産し続けています。