ラウル・ペレス / Raul Perez

Raul Perez

ラウル・ペレス

世界最高のワインメーカーの１人であり最高の才能を持つ革新者

ビエルソにて1752年からブドウ栽培の歴史を持つ家系に生まれたラウル・ペレス。バレンシアの醸造学校で学んだ後、実家であるボデガ・カストロ・ベントーサに参画。衛生管理の向上に加え、単一区画の概念を導入や少量生産に方向転換を行い、短期間での品質向上を成し遂げました。

2007年には自身のドメーヌとなるボデガス・イ・ビニェドス・ラウル・ペレスを設立。メンシアとゴデーリョで生み出す唯一無二のワインは瞬く間に多くのワイン評論家・愛好家の心を掴んみます。
栽培・醸造では『自然をリスペクトし、ブドウに与える影響を最小限にする』がモットー。畑は馬を使って耕し、醸造では各区画の個性が発揮されるよう最低限のSO2のみ添加、オークのニュアンスがワインを覆わないよう新樽使用も控えています。『欠陥のあるワインは失敗作だ』と語るラウルの作品は、正確性と透明感を兼ね備えます。

評論誌では常に高い評価を受けており、W.A.「ワインは確かに素晴らしい、しかし、限られた人間しか楽しむことができないことをラウル・ペレスはもっと考えなければならない」と高評価と入手困難さに言及。

また、Decanterではスペインの最もエキサイティングな生産者」の筆頭に取り上げられ「世界最高のワインメーカーの１人であり最高の才能を持つ革新者」と評されました。Vinousにも「これほど短期間に、これほど大きな影響を与えたワインメーカーは世界中どこを探してもいないと言ってよい」と言わしめました。

ラウル・ペレスのワインの特徴

品種の個性を引き出すテロワール表現

ラウル・ペレスのワインは、彼の故郷であるスペイン・ビエルソ地方のテロワールを深く反映しています。彼は主にこの地の主要品種である黒ブドウのメンシアと白ブドウのゴデーリョに注力し、それぞれの品種が持つ本来のポテンシャルを最大限に引き出すことに心を砕いています。特にメンシアからは、しばしば「スペインのピノ・ノワール」と称されるほど、繊細でエレガントなスタイルのワインが生み出されます。彼のワインは、ブドウ畑が点在する急峻な斜面や多様な土壌の個性を、グラスの中で見事に表現しています。

複雑で豊かなアロマと味わいのハーモニー

ラウル・ペレスのワインは、非常に複雑で表現豊かなアロマが特徴です。品種や畑の特性に応じて、ブラックベリーやチェリー、ストロベリーといった赤系・黒系果実のアロマに加え、スミレ、ハーブ、スパイス、ミネラル、チョーク、ハチミツ、レモンピール、潮味など、多岐にわたる香りが感じられます。味わいにおいては、フレッシュな酸と豊かな果実味、そして緻密なタンニンが一体となり、ふくよかなボリューム感がありながらも、シャープさや繊細さを兼ね備えています。熟成を経ることで、さらに複雑な風味や長い余韻へと発展するポテンシャルも持ち合わせています。

自然を尊重した醸造と世界的な評価

ラウル・ペレスの醸造哲学は、「最小限の人的介入」を基本としています。ブドウの房全体を使用し、開放槽での発酵、古樽での長期熟成を行うなど、できる限り自然なプロセスを重視しています。また、清澄やろ過を一切行わずに瓶詰めされることも多く、これによりブドウ本来の風味やテロワールの個性を、純粋な形でワインに閉じ込めることを目指しています。彼のワインは生産量が非常に少なく、特に上級キュヴェは「幻のワイン」と称されるほど入手困難ですが、その比類なき品質は世界中のワインジャーナリストから高く評価され、国際的に大きな注目を集めています。