アントワンヌ・リエナルト/Antoine Lienhardt

Antoine Lienhardt
知る人ぞ知るモダンブルゴーニュの注目生産者
ドメーヌ・リエナルトは2011年ヴィンテージからスタートした新しいドメーヌ。
アルザス出身のアントワーヌ・リエナルトが祖父モーリス・ギュイヨが所有するコンブランシアンの畑を相続。ジヴリーの大御所、ドメーヌ・ジョブロの娘ジュリエットとタッグを組み立ち上げました。アントワーヌはシャンボール・ミュジニーの「アミオ・セルヴェル」を中心にシャブリ、ジュヴレ・シャンベルタン、ニュイ・サン・ジョルジュなどのドメーヌで研修を積みました。
当初の栽培面積はわずか2.4ha。アペラシオンはコート・ド・ニュイ・ヴィラージュのみだったが、2012年にはブルゴーニュ・ブランとニュイ・サン・ジョルジュが増え、所有畑は4haまで増加。さらにネゴスものとなるが、買いブドウからジュヴレ・シャンベルタンも醸造しています。
ブドウ栽培はリュット・レゾネ。除草剤は使わず、畑を耕し、芽かきや夏季剪定は厳しく行い収量を抑制しています。収穫したブドウは密閉型のタンクで発酵、45%の比率で新樽を用い、12ヶ月の熟成を行っています。この低収量により凝縮したブドウと比較的高い新樽率が、ジョブロ流を彷彿とさせます。
リエナルトのスタイルは、ブルゴーニュの古典的スタイルを尊重しつつ、全房由来のスパイスと立体的な香気、石灰のミネラルが描く水平線、そして樽香を抑えた素地の明瞭さに要約できます。醸造器の選び分けは、果実を細密画のように描写するための画材選択に近く、セメントの微細な酸素透過性やファイバーグラスの不活性さ、古樽の穏やかな呼吸を、区画の素性に合わせて配合します。結果として、「アペラシオンを超える説得力」を備えたコート・ド・ニュイ・ヴィラージュが生まれ、名だたる格付けに拮抗する緊張感と、日常の食卓に寄り添う懐の深さが両立します。



