アントワーヌ・ブヴェ / Antoine Bouvet

アントワーヌ・ブヴェ - Wine Library

Antoine Bouvet

シャンパーニュの新しい時代を象徴する造り手

アントワーヌ・ブヴェは、マルイユ・シュール・アイを拠点に活動する若きシャンパーニュ生産者です。彼のドメーヌは、プルミエ・クリュに格付けされるアヴネ・ヴァルドール(Avenay Val d’Or)、ビスイユ(Bisseuil)、マルイユ・シュール・アイ(Mareuil-sur-Aÿ)の3つの村に、合計5ヘクタールの畑を所有しています。

栽培品種は、アヴネ・ヴァルドールではピノ・ノワールとシャルドネに加えて少量のピノ・ムニエを、ビスイユではシャルドネとピノ・ノワールを、マルイユ・シュール・アイではピノ・ノワールを栽培しています。平均樹齢は約35年と、成熟した樹から上質なブドウが得られます。

2011年、アントワーヌは祖父からこのドメーヌを継承しました。彼は数年前から土壌改良に注力しており、除草剤を一切使用せず、イラクサを発酵させた液肥を用いる自然農法を実践しています。2015年からはエッセンシャルオイルも取り入れ、2016年には1ヘクタールの区画でビオディナミ農法を導入しました。今後は、化学肥料や農薬を完全に排除した農法へ段階的に移行する予定ですが、有機認証の取得そのものを目的とはしていません。

ワイン造りにおいては「人の介入を最小限にすること」を哲学としています。補糖や酵素添加は行わず、ブドウの果皮に付着した天然酵母のみで発酵を進めます。マロラクティック発酵も自然に任せ、ワインはろ過を行わず、自然冷却ののち澱とともに熟成されます。ポンプの使用を避け、重力を活かした伝統的な工程を採用しています。

ブドウは畑の区画、村、品種ごとに分けて醸造されます。ルミュアージュ(動瓶)は、現在も木製のピュピートルを用いてすべて手作業で行われています。また、ドザージュに使用するリキュールもアントワーヌ自身の手による自家製です。

彼のワインは、手仕事と自然の調和が生み出す繊細で生命力あふれる味わいを備えており、シャンパーニュの新しい時代を象徴する造り手のひとりとされています。