シャンパーニュ・コレリー / Champagne Collery

シャンパーニュ・コレリー - Wine Library

Champagne Collery

大改革により躍進する老舗

 Champagne Colleryは、フランス・シャンパーニュ地方、グラン・クリュ村として名高いAÿ‑Champagneに拠点を置く名門シャンパーニュ・メゾンです。創立以来、優良な葡萄を厳選して用い、現代では「グラン・クリュのみを使用」「長期熟成」といった高品質へのこだわりを貫いており、伝統と革新が融合する逸品として世界中のワイン愛好家から注目を集めています。

 コレリーの歴史は1893年に始まり、アイ村というシャンパーニュの王道とも言える地で、グラン・クリュの葡萄を用いたシャンパーニュ造りに着手しました。創業家により代々受け継がれてきたこのメゾンは、1904年には早くもパリで金賞を受賞するなど、その実力を歴史的に示しています。その後、2014年にニコラ・ギョスキン(Nicolas Gueusquin)による買収とともに再編が行われ、品質向上のための6年間にも及ぶ改革プロジェクトが実施されました。この段階で、グラン・クリュ由来の葡萄のみを用いる方針や、熟成に使用する樽の選定、リザーブワインの活用など、細部にわたる品質管理が強化されました。

グラン・クリュのテロワールから表現されるシャンパーニュ

 アイ村を中心に、コレリーでは「グラン・クリュ村からの葡萄のみ」を用い、ピノ・ノワールを軸としてシャルドネも加えるという方針を明確に打ち出しています。 醸造においては、オーク樽・ステンレスタンクを使い分け、リザーブワイン比率も確保しながら、長期熟成を行うスタイルを採用しています。「畑からワインを造る」という哲学のもと、葡萄の収穫・選別・仕込みにおいて一切の妥協を許さず、「テロワールの正直な表現」を志向しています。熟成樽にはストッキンガー、ヴィカール社樽と最高品を使用しています。シャルドネはソーテルヌグランクリュ古樽、ピノノワールはブルゴーニュ古樽で熟成するなど多くの改革を進め老舗の復興と躍進に尽力しました。

 コレリーのシャンパーニュは、ピノ・ノワール由来の骨格と、シャルドネ由来の清冽な酸とが見事に調和した味わいが魅力です。シャンパーニュを注いだグラスには、赤果実の瑞々しさ、そして時間を経た熟成香が重なり、余韻には塩味やミネラルが漂います。例えば、ブラン・ド・ノワール・グラン・クリュでは「ラズベリーやブラックチェリーのシロップ、リンゴゼリーの香りに、トーストと塩気のニュアンス」という極めて複雑かつバランスの取れた味わいが表現されています。

その結果もあってか、現在ではデキャンター誌(最高で97点の評価)をはじめ、各評論誌でも高く評価され始め注目を集めています。