ジャン・マルク・ブロカール / Jean Marc Brocard

Jean Marc Brocard
シャブリ最大級の生産量を誇る一大ドメーヌ
1946年にコート・ドールのショードネ=ル=シャトーで農家の家庭に生まれたジャン=マルク・ブロカールは、1960年代後半に農業の将来が十分でないと判断し、一度は農業から離れてオーセールでエンジニアになった。その後、将来の妻と出会い、彼女の両親がサン=ブリ=ル=ヴィヌーのワイン生産者であったため、ソーヴィニヨン・ブランの生産を手伝うことになった。当時のシャブリは1800年代のフィロキセラ禍から復興しきれていなかったが、ジャン=マルクはワイン生産に再度携わる中で、シャブリというアペラシオンはまだ死んでおらず、不死鳥のように必ず復活すると信じるようになった。ジャン=マルクは自分のワイナリーを立ち上げようと決意した。スタート時には資金が不足していたため、妻の両親からプレイ村に1haの畑を借りて最初のブドウ畑とし、数年後にはそこに自身のワイナリーを建設した。このたった1haのプレイ村の畑が、後にシャブリを代表するドメーヌ・ジャン=マルク・ブロカールの礎となるのである。ジャン=マルクは早くからフランスだけでなく国際市場にも目を向けていたことが功を奏し、世界的な人気を獲得し、結果的にシャブリ復興の立役者となった。
ブルゴーニュ最大規模のビオディナミを実施
ジャン=マルク・ブロカールは、土壌、ブドウ、そして生命に対して尊敬の心を持ち続けていた。そして、その信念は現在の当主である息子のジュリアン・ブロカールに引き継がれている。1973年生まれのジュリアンは、エンジニアリングを学んだ後、1995年から父と一緒に働き始めた。ジャン=マルクはジュリアンがまだ幼いころからワイン造りの才能があることを見出していた。ジュリアンはワイン生産に携わる中で、除草剤や殺虫剤を使用した農法に強い疑念を抱くようになった。何とかして除草剤や殺虫剤を使わずにブドウ栽培ができないかと様々な探求・研究をした結果、ビオディナミに行き着いた。そして、これからのドメーヌの未来は有機農法とビオディナミ農法にあると父のジャン=マルクを説得した。ジャン=マルクも息子の意見に耳を傾け、1997年から有機及びビオディナミへの転換を始めた。そして2006年に初めて、ラ・ボワッソヌーズ(区画名)で有機認証を取得した。
現在、ジュリアンは「畑を森林にする」という目標を掲げている。それにはブドウだけでなく他の果物を植えたり、家畜を飼うことも含まれる。また、大きな樹を植えて影を作るなどし、自然の力で地球温暖化を克服しようとしている。畑全体で様々な生命が共存し、循環することで素晴らしいエコシステムが確立されると彼は信じているのである。現在では、50%以上の自社畑が有機農法またはビオディナミへの転換を完了している。彼らはブルゴーニュ最大の有機農法を実践しているドメーヌであり、世界的に見ても有機農法に関する重要な役割を担っている。将来的にはすべての畑を有機またはビオディナミに転換することを目指している。「常に改善を考え、壊れていなくても改善する。そうしなければ、それを行う者たちと競争できないからだ」。このような信念を持つジュリアンが率いるジャン=マルク・ブロカールが、今後もシャブリ、ひいてはブルゴーニュのリーダーであり続け、素晴らしいワインを生み出し続けることを我々は確信している。