ジャン・マルク・ボワイヨ/Jean Marc Boillot

ジャン・マルク・ボワイヨ - Wine Library

Jean-Marc Boillot

ソゼの孫としてピュリニーの白を継ぎ、ボワイヨ家からポマールの赤を受け継いだ——両血統を一本に束ねた、コート・ド・ボーヌ随一の赤白二刀流ドメーヌ

ジャン・マルク・ボワイヨは、ヴォルネイの名門ジャン・ボワイヨ家に生まれました。兄アンリが父のドメーヌを継ぐことになり、1984年に家業を離れ、ピュリニー・モンラッシェでオリヴィエ・ルフレーヴのもとで醸造家として5年間の修業を積みます。1988年に独立した際、父方の祖父アンリ・ボワイヨからヴォルネイとポマールの畑、そしてポマールに現在も残るセラーを受け継ぎ、ドメーヌの礎を築きました。その後1991年、母方の祖父であるエティエンヌ・ソゼのドメーヌが相続によって分割された際、ジャン・マルクはピュリニー・モンラッシェのプルミエ・クリュ複数区画とバタール・モンラッシェ(0.18ha)のグラン・クリュ区画を取得。妹ジャニーヌの持ち分はソゼとして継続されました。白はソゼ由来のピュリニー、赤はボワイヨ家由来のポマール・ヴォルネイという両輪を持つ、コート・ド・ボーヌでも稀有な構成です。

現在、ジャン・マルクはドメーヌを退き、娘のリディとその夫フランソワ・アルジングルが経営と醸造を担っています。コート・ドールに約10ha、2012年・2015年に拡張したマコネに約13haを所有し、年産は約4,200ケース。ピュリニー・モンラッシェのプルミエ・クリュはコンベット、ルフェール、ラ・トゥルフィエール、シャン・カネなどが揃い、赤はポマールのプルミエ・クリュ「リュジャン」「ジャロリエール」「ソシル」をはじめ、ヴォルネイのロンスレ、カレル・スー・ラ・シャペル、ピチュールが主力です。

新樽25〜30%・全房圧搾・週次バトナージュ——祖父の区画に残る40年超の古樹が生む、ストーンフルーツの純粋さと白亜系ミネラルが溶け合うコート・ド・ボーヌ白の手本

醸造は純粋さと均整を最優先するアプローチ。白ワインは手摘みで収穫後、全房で丁寧に圧搾し、タンクで澱引き後にフレンチオーク樽で発酵。11ヶ月の樽熟成中は週次でバトナージュを行い、ミッドパレットにボリュームを与えながら線の細さを守ります。新樽比率は通常25〜30%と控えめで、区画のテロワールを前に出す設計です。ピュリニーの白は柑橘・白桃の果実、白亜系の冷涼なミネラル、熟成由来のアーモンドやブリオッシュのニュアンスが重なり合います。ソゼ由来の区画には、エティエンヌ・ソゼが植えたラ・ガレンヌやコンベットの古樹がそのまま残り、「樹齢40年で初めて本領を発揮する」という栽培哲学のもと、丁寧に管理されています。赤ワインは除梗ほぼ全量、小型醸造槽でおだやかな抽出を心がけ、ポマールの力強いアースネスと赤果実の凝縮感、ヴォルネイのシルキーなタンニンをそれぞれ素直に表現します。マコネにはプイィ・フュイッセ、サン・ヴェラン、マコン・ヴィラージュが揃い、ソゼ由来のエレガントな白の系譜をより手軽な価格帯でも体現しています。