シャトー・レオヴィル・ラスカーズ / Chateau Leoville Las Cases

Chateau Leoville Las Cases
スーパーセカンドの筆頭株
サンジュリアンの格付け二級であるレオヴィル・ラス・カーズ(Chateau Leoville Las Cases)は、メドック最古のワイナリーの一つに数えられ、そのルーツは17世紀まで遡ることができます。もとはレオヴィル家という貴族の領地の一部であったが、18世紀のフランス革命の余波を受けて3つに分割され、ラス・カーズは以前の敷地の3/5を踏襲する形で誕生した。シャトー・ラトゥールに隣接するこの敷地は、現在のグラン・ヴァンを生み出す最重要区画「グラン・アンクロ」となっており、この畑を囲む石垣と門の上に佇むライオン像はサンジュリアンからポイヤックへと抜ける道中のランドマークになっています。55haのグラン・アンクロは、ゆるやかに起伏する2つの小さい丘から形成され、河岸に向かって急激に落ち込んでいます。ジロンド川との距離は約1kmほどだが、すぐ目の前を流れているように見えます。丘のふもとは厚く堆積した砂利層で、砂と粘土の割合が畑を通して不均一となっており非常に複雑な土壌を構成。南-南東向きの斜面はジロンド川を望む絶好のロケーションにあり、川の暖気が霜害のリスクを軽減させるだけでなく、反射熱の作用から毎年完熟したブドウが安定して収穫できます。醸造は伝統的な方法で行われ、フレッシュな果実味と美しい酸を保つこと、またオークの香りが決して支配的にならないよう細心の注意が払われます。こうしてサンジュリアンで最も力強く、骨格のしっかりとした長期熟成のポテンシャルの高いワインが生まれます。
現オーナーであるジャン・ユベール・ドロンは19世紀後半からラス・カーズを所有し、同家は他にメドックのシャトー・ポタンサック、ポムロールのシャトー・ネナンを所有しています。わかりやすいパワフルさが好みであった先代の父のスタイルから飛躍したジャン・ユベールのスタイルは、上品さとバランスを兼ね備えた緻密なラス・カーズであり、スーパーセカンドの筆頭株としてふさわしいグラン・ヴァンの緊張感と優雅さを備えます。