ルイ・モーラー/ Louis Maurer

Louis Maurer
新世代アルザスの注目生産者
ルイ・モーラーは1996年生まれ。アルザスでも最も若い世代のヴァン・ナチュールの造り手です。彼はルファックRouffachの醸造学校でBTS(醸造栽培上級技術者のディプロマ)を取得。在学中にマルク・クライデンヴァイスとドメーヌ・セルツで研修し、ビオロジック農法のワインへの影響の重要性を学びました。高校卒業後はルカ・リーフェル(カトリーヌ・リスが醸造所を間借りしているドメーヌ)の下で1年半修行し、ヴァン・ナチュールについて実践で学びました。2016年から実家のドメーヌに参画。当時わずか20歳ながら、家族のワインとは別に、自身の名で4種類のヴァン・ナチュールを醸造しました。彼のワインは欧米のナチュラルワインの愛好家の間で、すくに話題となり、SNSで数多く取り上げられています。アルザスという、ある種保守的なワイン文化が色濃く残る土地において、これほど若くして自らの確固たる「自然への回答」を提示した彼の登場は、現地のワインシーンに静かな、かつ確実な革命をもたらしました。
彼が拠点とするアイシュホーフェン村周辺のテロワールは、アルザスの中でも非常に多様な土壌が入り組む複雑なエリアです。ルイ・モーラーの凄みは、その若さゆえの恐れを知らぬ実験精神と、驚くほど冷静な土壌への観察眼が同居している点にあります。彼は、青い粘板岩(ブルー・シスト)を含む「シフェルベルグ」などの特異な区画から、他の造り手とは一線を画す「電気的なエネルギー」を帯びたワインを引き出します。彼のワインを口にした時に感じるあの震えるような酸とミネラルの躍動は、単にブドウを放置して造られたものではなく、土地の声を正確に聴き取るための緻密な手仕事の集大成です。
ルイ・モーラーの代表キュヴェ
このキュヴェは、ルイの祖父のアルベールが、祖父の時代にはアルザスでマセラシオンのワイン醸造法があったとルイに話をしたことから、アイデアが生まれ誕生したものです。ルトゥール・オー・スルスとはフランス語で「ルーツへの回帰」という意味で、祖父の時代への精神的な回帰という敬意を込めて命名されました。
このキュヴェはアルザスの伝統的なエデルツヴィッカーを、ルイのスタイルで現代的に造り上げたものです。ピュール・スーシュとは、フランス語で『純粋な起源』という意味です。30年前、アルザスでは生産量の1/4がエデルツヴィッカーでした。エデルツヴィッカーは友人たちと一緒にビストロやワインバーなどで気軽に楽しむ“ヴァン・ド・ソワフ”でした。その起源に立ち帰って生まれたワインのため、ピュール・スーシュと命名されました。
「Sans détour」はフランス語で、「率直に」「直接的に」「回り道をせずに」という意味です。ひるがえって、このキュヴェの醸造においては、ブドウの香りを保つために、最小限の介入で醸造を行ったため、このように命名したそうです。



