ヴァインバック
Weinbach
アルザスを代表する、「ル・メイユール・ヴァン・ド・フランス」三つ星生産者
アルザスワインの中で首位の座を争う地位に君臨するドメーヌ・ヴァインバックの歴史は、1612年、カプチン会修道士がブドウ畑を切り開き、設立した時まで遡ります。ヴァインバックとは、ヴァインがワイン、バックが小川という意味で、直訳すれば「ワインの小川」となります。それは、ドメーヌの中を、小川が流れていることに由来します。現在、ワインガイド誌「ル・メイユール・ヴァン・ド・フランス」から三つ星評価(三つ星が満点)を得ています。数多いアルザスワインの生産者のうちでヴァインバックとともに、三ツ星評価を獲得しているのは、マルセル・ダイスと、ツィント・ウンブレヒトのみです。
ドメーヌは、1898年ファレール家が取得し、その後ファミリーがドメーヌを経営します。2代目テオ・ファレールが1979年に亡くなった後は、妻であるコレット夫人が、二人の娘と共にヴァインバックを守るだけにとどまらず、ヴァインバックのワインを世界でも有数の白ワインに育て上げました。長女のカトリーヌがマーケティングを、次女ローランスが栽培と醸造を受け持っていました。
2014年、ローランスが心臓発作で急逝します。その後2015年、ドメーヌの支柱であり、ドメーヌを率いてきたコレットが86歳で亡くなりました。現在は残されたカトリーヌが、息子のテオとともにドメーヌを経営しています。醸造に関しては、ローランスとともにワイン醸造を担っていた、ギスレイン・ベルティオが引き継いでいます。ヴァインバックが4世紀にわたる長い歴史を通して優良なワインを産出できたのは、優秀な経営者や醸造家によるところとその努力はもちろんですが、何よりも、ヴァインバックがもっているブドウ畑の素晴らしさによるところが大きいです。ブドウ畑の詳細については、後述しますが、どれもが、個性豊かなテロワールを誇っています。
また、1990年からはすべての畑が有機農法で行われていましたが、1998年、さらに一歩進んで、ビオディナミを採用しました。そして2005年から、すべてのブドウ畑がバイオダイナミック農法認定を受けました。これは自分たちが受け継いだ素晴らしいブドウ園を、次の世代にもそのまま引き継げるように、さらに、将来にわたって素晴らしいワインを造り続けることができるようにという熱い思いからです。