セサール・マルケス/Cesar Marquez

セサール・マルケス-Wine Library

Cesar Marquez

生きる伝説Raul Perezを叔父にもつ、注目の若手生産者

 1988年生まれ、若き世代の代表格として注目を集めるスペイン・ビエルソ(Bierzo、カスティーリャ=イ・レオン州)出身の醸造家、セサール・マルケス(César Marquez / César Márquez Pérez)。彼はこの地の古典的ワイン文化を継承しつつ、テロワール表現を追求する革新的な視点を併せ持つ造り手として、多くのワイン愛好家や専門家の関心を集めています。セサールは、ビエルソ最古のワイナリーである カストロ・ベントーサ(Castro Ventosa の生まれであり、そこが家系のルーツです。9代目として家業に携わりながらも、2015年には自身のプロジェクト「ボデガス・セサール・マルケス(Bodegas César Márquez)」を立ち上げ、より自由な発想と徹底した区画主義を志向するワイン造りを展開しています。彼は叔父にあたる著名生産者、Raúl Pérez から技術と理念の両面を学んだ背景を持っており、その影響は彼の哲学と実践に色濃く残っています。

 セサールがめざすのは、いわゆる「産地の声」をそのままワインに映し出すこと。彼自身は「伝統的手法、産地、古いブドウ畑、エレガントなワインへの敬意」という言葉を信条とし、青さの強い風味や過度な抽出を避け、絹のように滑らかなワインを追求すると語っています。

未来を見据えるビエルソの星

 セサールの醸造は「人為的介入を最小限にする」ことを根底に置いています。彼は、スタンダード・キュヴェから区画別リリースまですべてを自然酵母発酵で行い、樽熟成を中心としつつも、使用する樽のサイズや熟成期間を適宜変える柔軟さも併せ持っています。特筆すべきは、破砕工程において機械を使わず、足踏み破砕を採用している点です。彼は「機械破砕は果房や梗を過度に傷つけ、グリーンな味わいを生じさせやすい」という理由から、すべてのワインのブドウを自身で足踏み処理する方式をとっています。また、除梗/全房発酵のバランスやマセラシオン期間、温度管理にも細心の注意を払い、個々の区画の特性を最大限に引き出すように調整します。

 こうした手法により、彼のワインは強い抽出や過剰な樽香とは異なる、 繊細で明晰なテロワール表現 を持ちつつ、タンニンや酸のバランスにも優れるものとなっています。彼自身は理想のワイン像について、「ブルゴーニュのように、畑がもつ個性を映すもの」を挙げています。

 

「叔父のラウル・ペレスや、メンドーサのミケリーニ・ファミリーで多くの経験を積んできた。彼は2015年に4つの異なるワインに分けた1700本という非常に少量な本数からスタートした。2017年7月にビエルソを訪れた際の大きな驚きのひとつであったことは間違いない。ビエルソで注目すべき新しい名前だ。」- Wine Advocate

 

代表的なワイン

2022 パラヘス・デル・ピエルソ ティン

2022 バルトゥイエ ビノ・デ・ビリャ

2022 ピコ・フェレイラ