ドメーヌ・ド・ラ・ボングラン / Domaine de la Bongran

ドメーヌ・ド・ラ・ボングラン - Wine Library

Domaine de la Bongran

貴腐のシャルドネを生み出す唯一無二な生産者

ボングランは、マコネーのヴィレ村とクレッセ村の間にあるカンテーヌ村に位置します。ドメーヌ名の"Bongran"は"Bongrain(良いブドウの粒から造られるワイン)"に由来し、現在は当主のジャン・テヴネ氏と息子のゴーティエ氏が二人三脚で運営しています。代々継承されてきた伝統的な手法で栽培・醸造に取り組み、飲み頃になったものだけを出荷しています。彼らは他にも「ドメーヌ・エミリアン・ジレ」、「メーヌ・ド・ロアリー」のドメーヌを擁します。

ドメーヌの持つ畑は大きく分けて2つのタイプの畑があります。1つはワイナリーが隣接している粘土石灰質土壌の畑で、この畑からは辛口の「キュベ・トラディション」が造られます。その上部の斜面には泥灰質土壌が広がり、これがもう1つのタイプの畑で、この土壌はソーヌ河で発生する霧の湿度を吸収し保つ特徴があります。そのため地中に蓄えられた湿度が10月の日中の気温が高くなる日に蒸気として地上に放出され、それが良質のボトリティス菌の発生をもたらし、ブルゴーニュとしては珍しい、甘やかな貴腐の白ワインを生み出します。この畑からは「キュベ・EJ・ テヴネ」、「キュベ・ルヴルテ」「キュベ・ボトリティス」を生産しています。

完熟して貴腐菌がついたブドウから造られた彼らのワインは、一般的なマコンのワインに比べてアルコール度数が高いため、「マコンらしくない」とのINAO(フランス原産地呼称統制協会)の見解から、ヴィレ・クレッセからマコン・ヴィラージュに格下げさせられたという経緯もありましたが、長い時間をかけて、マコネを深く理解し真摯に生産性に流されずワイン作りに真摯に向き合ってきた彼らこそ、本当の意味での「マコネらしい」ワインを手がける稀有な生産者といえます。

今では、その功績は世界的に認められており、ギュファン・エナンと並びマコネ最高の作り手の一人に数えられています。