商品名(原語) |
Vosne Romanee 1er Cros Parantoux
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タイプ | 赤 / 750ml |
産地 | France / Bourgogne / Vosne Romanee |
生産者名 | Meo Camuzet (Domaine) |
生産年 | 1997 |
ぶどう品種 | Pinot Noir |
輸入元 |
Firadis |
備考 |
ラベル不良 |
Meo Camuzetメオ・カミュゼアンリ・ジャイエの薫陶を今に受け継ぐヴォーヌ・ロマネの名門ドメーヌメオ・カミュゼの歴史は、栽培農家であると同時に、コート・ドール県選出の代議士であったエティエンヌ・カミュゼに始まります。当時クロ・ド・ヴージョ城も所有していたため、メオ・カミュゼのクロ・ド・ヴージョの畑は、城の周辺と真下という、もっとも素晴らしい位置を占めています。エティエンヌ亡き後、相続を受けた娘マリアンヌはワイン造りに関心を持たなかったため、所有畑は貸与されることになります。その中でクロ・パラントゥやリシュブール、ヴォーヌ・ロマネの畑を借り受けたのが、伝説的な造り手アンリ・ジャイエでした。 アンリ・ジャイエは20世紀ブルゴーニュのスタイルを大きく変えた人物であり、メオ・カミュゼの畑を長期にわたり管理したことで、ドメーヌの名声に決定的な影響を与えました。低収量、徹底した選果、除梗、樽熟成といった彼の哲学は、後にドメーヌの正式なワイン造りの基礎となります。そして、1980年台にジャンの息子ジャン・ニコラ・メオがブルゴーニュに戻り元詰めを開始。当時24歳であったニコラだけではドメーヌの運営は難しく、表向き引退を宣言したアンリ・ジャイエも、ドメーヌのコンサルタントとして若きジャン・ニコラの指導にあた離ました。ジャイエが引退する1990年代までに積み上げた経験は、ドメーヌ・メオ・カミュゼにとって計り知れない財産となりました。 とりわけクロ・パラントゥーはヴォーヌ・ロマネの丘の中腹に位置する極小区画であり、ブルゴーニュの中でも伝説的な存在として語り継がれています。かつては畑として顧みられなかった土地でしたが、戦後にアンリ・ジャイエが開墾し、そのポテンシャルを世に知らしめました。現在はメオ・カミュゼとエマニュエル・ルジェがそれぞれの区画を所有・醸造しており、両者のクロ・パラントゥーは世界的に入手困難なアイコンワインとなっています。痩せた石灰質土壌と冷涼な気候が生むワインは、力強い骨格と緊張感を備え、熟成により赤い果実やスパイス、トリュフや森の下草の複雑なニュアンスを展開します。リリース直後から国際市場で争奪戦が起こり、オークションでは驚くべき高値で落札されることもしばしばです。クロ・パラントゥーは、ジャイエの情熱と継承者たちの仕事によって築かれたブルゴーニュの象徴であり、人と土地の歴史を語る希少な畑であるといえるでしょう。 現オーナーのジャン=ニコラ・メオは、1990年代から本格的にワイン造りを引き継ぎました。彼はパリやアメリカで経済やビジネスを学んだ後、実家のドメーヌに戻り、アンリ・ジャイエの薫陶を受けながら独自のスタイルを確立しました。ジャン=ニコラは父方の家系であるメオ家の名前を冠し、ドメーヌを「メオ・カミュゼ」としました。今日では彼のもとで品質の向上と国際的評価の獲得が進み、ブルゴーニュを代表するドメーヌとして不動の地位を築いています。 栽培はリュット・レゾネを基本とし、自然環境を尊重しながら化学薬品の使用を極力避けています。収量は非常に低く抑えられ、ブドウは手摘みで収穫され、厳しい選果を経て醸造に回されます。醸造においては、区画ごとに分けて仕込み、発酵はステンレスタンクで行われます。その後、ワインはフレンチオークの樽で熟成されますが、新樽比率は特級畑で70〜100%と高く、一級畑でも50%前後に達します。この積極的な新樽使用はメオ・カミュゼのスタイルを特徴づける要素であり、果実の凝縮感と樽由来の芳香が融合し、力強さと華やかさを兼ね備えたワインに仕上がります。 リシュブール、クロ・ド・ヴージョ、エシェゾー、3つのコルトン(従来からあるクロ・ロニェに、2010年ヴィンテージからペリエールとヴィーニュ・オー・サンが加わった)といった特級畑と、戦争直後にアンリ・ジャイエが開墾したヴォーヌ・ロマネ1級クロ・パラントゥー。DRCやルロワ、シルヴァン・カティアールやアルヌ・ラショーといったヴォーヌ・ロマネの名だたる生産者にも引けを取らない、宝石のようなクリマの数々を有したメオ・カミュゼはブルゴーニュのトップドメーヌとしての地位を確立しています。 |