アンリ・グージュ / Henri Gouges

アンリ・グージュ - Wine Library

 Henri Gouges

ブルゴーニュの歴史に名を刻むニュイ・サン・ジョルジュの伝統的生産者

アンリ・グージュは、ブルゴーニュ地方コート・ド・ニュイ南部、ニュイ・サン・ジョルジュを代表する歴史的ドメーヌです。1920年代からドメーヌ元詰めを開始した、ブルゴーニュにおける先駆的生産者のひとつとして知られています。当時はブドウや樽の状態でネゴシアンへ販売することが一般的でしたが、アンリ・グージュは自らの畑で育てたブドウを自ら醸造・瓶詰めし、ドメーヌ名で世に出す道を選びました。この姿勢は、現在のブルゴーニュにおける「畑の個性」「造り手の哲学」を重視する価値観の礎にもつながっています。

所有畑はニュイ・サン・ジョルジュ村内に集中しており、現在は約15haの畑から、村名クラス、ブルゴーニュ、そして複数のプルミエ・クリュを手掛けています。なかでも「クロ・デ・ポレ・サン・ジョルジュ」はドメーヌを象徴するモノポールで、アンリ・グージュの名声を語るうえで欠かせない区画です。さらに「レ・サン・ジョルジュ」「ヴォークラン」「シェーヌ・カルトー」など、ニュイ・サン・ジョルジュらしい骨格と深みを備えた一級畑も所有しています。

また、アンリ・グージュを語るうえで外せないのが、1936年に同家の畑で発見されたピノ・ノワールの白い突然変異種「ピノ・グージュ」の存在です。この希少なブドウから造られる白ワインは、赤ワインの名産地として知られるニュイ・サン・ジョルジュにおいて、ドメーヌの個性をより際立たせる特別なキュヴェとなっています。

現在もグージュ家による家族経営が続き、伝統的なスタイルを守りながら、畑仕事や醸造面では時代に合わせた精度の向上が図られています。アンリ・グージュは、単に長い歴史を持つ老舗ではなく、ドメーヌ元詰め文化の確立、ニュイ・サン・ジョルジュの評価向上、そして土地の個性を誠実に表現する姿勢によって、ブルゴーニュワイン史に重要な足跡を残してきた生産者です。