ケリー・フォックス・ワインズ / Kelly Fox Wines

Kelly Fox Wines
テキサスA&M大学とオレゴン州立大学で生物学と生化学を学んでいたケリー・フォックスは、博士課題を修了する前からワイン造りの道を選ぶことを決意していました。ワイン造りについては、教科書からではなく、オレゴンの熟練生産者たちの元でノウハウを習得しました。トリイ・モア・ワイナリー、ハーマッハー・ワインズ、そしてオレゴン最上のピノ・ノワールとして名高いジ・アイリー・ヴァインヤードの故デイヴィッド・レット氏から決定的な影響を受けています。
2007年から自身のワインを作りながら、2005年から2015年までは、スコット・ポール・ワインズで醸造長として、働いていました。メオ・カミュゼの現当主ジャン・ニコラ・メオによるオレゴンでのワイン造りプロジェクトでも栽培に関わり、ニコラ氏本人から支持を受けています。
何ごとも決まりきった慣習通りには行わず、栽培でも過度の凝縮感は求めず、醸造では舌と感覚を頼りに判断をしワインを手掛けます。エレガントなワインができやすいと言われる、ダンディー・ヒルズの中でも特に、ケリーの手にかかるとピノ・ノワールは、ひときわ伸びやかで、優雅なワインへと生まれ変わります。
代表的なワイン
フリーダム・ヒル・ヴィンヤードの樹 齢が若いシャルドネで造るキュヴェ。 樹齢を重ねた後には、単一畑キュヴェ としてリリースする予定。
ラバイ(ミーラーバーイ)は16世紀のインドの女性詩人で、献身的信仰と神への愛を謡った作品で知られる。ケリーは彼女を讃えてこのワインを造ったという。マーシュ・ヴィンヤード70%とウェーバー・ヴィンヤード30%のブレンドで、どちらも自根のポマール・クローン。
二つの畑に共通する、酸化鉄で赤味をおびた目の粗い粘土はレッド・ジョリー(Red Jory)と呼ばれ、ピノ・ノワールにとても魅惑的なテクスチャーを与えるという。ブルゴーニュ樽(228L)で9カ月熟成。ケリーの他のピノ・ノワール同様、新樽は使わない。ケリーのエントリーキュヴェ。迫力と先にある高い潜在性を感じさせる。
起伏に富んだダンディーヒルズの中でも古くからあるブドウ畑のひとつで、ウェーバー家が1978年に植樹をはじめた。このワインは1983年に植樹した自根のポマール・クローンを使用している。
ケリーが世話をしている区画は、南を背の高い樫と楓の古木が、東側を人手の入らない野生の森が生い茂り、どこからともなく、鳥たちのさえずりが絶えず聞こえてくる。そこにいるだけで気持ちが穏やかになる、ポジティヴなエネルギーが満ちている畑とのこと。
2018 ピノ・ノワール マーシュ・ヴィンヤード レッド・バーン・ブロックス
レッド・バーンは赤い納屋の意味。スコット・ポール・ワイナリーでワインメーカーとして、働いていた時から、10年以上関わってきた区画。
レッド・ジョリーと称される、酸化鉄で赤味を帯びたシルトと粘土、ローム質が混じった特有の火山性土壌をストレートに表現するキュヴェ。1970年植樹の古木のピノ・ノワールの半分を全房で約3週間マセレーション、その後ケリーおなじみのフレンチバリックで10カ月熟成。他のキュヴェに比して透明感より複雑味が現れる。2018年VTが最後の醸造となった。



