マニエール ペール・エ・フィス/Richard Maniere

マニエール - Wine Library

Richard Maniere

豪華絢爛な畑を所有する名家

 ドメーヌ・マニエール(リシャール・マニエール)は、1795年からヴォーヌ・ロマネの村の中心に構える歴史ある造り手です。現当主のリシャール・マニエールで5代目で、先代の頃はマニエール・ノワロ名義でワインを手掛けており、ロバート・パーカーからは、「熟成力のある凝縮したリッチなブルゴーニュを手掛ける」というコメントともに4ツ星評価を得ています。ノワロはリシャールの母方の家系で、ヴォーヌ・ロマネ最大の土地の所有者のひとりでもあります。3.8haの所有畑は本拠地ヴォーヌ・ロマネを中心に、南はニュイ・サン・ジョルジュから北はフィサンまで広がり、古樹の畑を多く所有。そのラインナップは素晴らしく、グランクリュのエシェゾーをはじめ、ヴォーヌ・ロマネ屈指のプルミエクリュであるレ・スショや、ニュイ・サン・ジョルジュを代表するプルミエクリュのレ・ダモードを先祖代々受け継いできました。特に、先々代が手に入れたエシェゾーは、このアペラシオン最上の区画とされるレ・プーライエールのほぼ中央と、絶好のロケーションを誇り、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティの所有区画に両サイドを挟まれているため、同社からドメーヌ対し5年おきに畑の交換が持ちかけられるほど。

一流ドメーヌとしてようやく広まりはじめた遅咲きのスター生産者

 優れた畑と評価がある一方、これまで無名の存在だったのは、ワインの大半をネゴシアンにバルク売りしており、ドメーヌの名を冠したワインが市場に出ることが絶対的に少なかったからです。しかし、そのクオリティに感銘を受けたブルゴーニュのワイン商が「絶対に元詰めをしてドメーヌの名前でワインを世に出すべきだ」と、リシャールを説得。ようやく元詰め本数は増えたものの、その内9割がフランス国内で消費されてしまうため、国外で彼のワインに出会う機会は今でも非常に稀です。

 リュット・レゾネでの栽培では、除草剤や殺虫剤は使用せず、同村の醸造家たちが「ブドウ畑ではなく庭園だ」と評するほど、彼の畑は完璧に整っています。醸造はヴォーヌ・ロマネ村の中心にある年季の入ったセラーで行われます。収穫後マセラシオンを行い、ステンレスタンクでアルコール発酵。ワインは全てバリックで長期間熟成。緻密な畑仕事と伝統的なワイン造りから生まれる彼のワインからは、畑の良さがダイレクトに伝わってきます。今のブルゴーニュでは貴重な、古典的な味わいと素性の良さを備えたワイン。

代表的なキュヴェ

2021 ヴォーヌ・ロマネ

2021 ニュイ・サン・ジョルジュ 1er Cru レ・ダモード