ミッシェル・ニーロン

入手困難を極めるパーカー5つ星生産者

ドメーヌの3代目として生まれたミシェルと父マルセルの親子の共同作業によるワインが最初に市場に出たのは1960年。その後ミシェルは50以上もの優れたヴィンテージを次々にリリースしていきます。真剣な研究の結果、様々な方法を用いて丹精込めたワイン造りを続けていったのです。徐々に規模を大きくし、新しい技術も導入していきました。3世代目のミシェルは先祖から受け継いだ伝統を重んじつつも、新しい方法をうまく取り入れ、ドメーヌを改革していくことに成功しています。評論誌での評価も非常に高く、ロバート・パーカーは彼に5つ星の最高評価をつけています。

ラモネと肩を並べるシャサーニュ最高の作り手

ミシェル・ニーロンのワイン哲学は、大切に育てた樹齢の高いブドウの木を、収穫量を制限しつつ少量でも良質のワインを造り出す、というものです。実際、彼の所有する畑は、グラン・クリュのシュバリエ・モンラッシェが0.2ヘクタール、バタール・モンラッシェ0.12ヘクタールとわずかなものです。この他、シャン・ガン、ショーメ、クロ・サン・ジャン、マルトロア、ベルジュなどの優れたプルミエ・クリュを所有していますが、全部合わせてもわずか約7.5ヘクタールほどの小さな畑です。自然を重んじるミシェル・ニーロンは、除草剤を使わないようにブドウ畑を耕しています。寄生虫やカビを防ぐために、地域で毎年一番最初に収穫の時期を選ぶドメーヌとして知られています。

年間わずか40,000本から45,000本とも言われるほど生産本数が少なく、主に輸出用として出荷されています。こだわりのワイン造りを続けているために少生産となっているのですが、評価が上がるにつれて重要と供給のバランスがどんどん取れなくなっていっています。このため、ワイン愛好家の間では、「ミシェル・ニエロンの特級ワインを見つけたら、とりあえず買うべきだ」と言われるほど、希少価値が高く手に入れることが難しいワインとしても名を馳せています。プルミエ・クリュのワインもコストパフォーマンスが高いと人気がうなぎ上りです。今ではシャサーニュにおいて、ラモネと並び最も人気のある作り手となっています。

そして、ミシェル・ニーロンのワインが毎年リリース直後に完売してしまい、多くのブルゴーニュファンの手に渡らない状況を少しでも改善したいと、現在のミッシェルニーロン全責任者が立ち上げたのが、コート・ド・ボーヌの白専門ネゴシアンプロジェクト Michel Coutouxです。