ピエール・エ・アントナン / Pierre et Antonin

Pierre et Antonin
ポスト・ナチュールの極北。病害抵抗性品種と無添加が生む、未知なる清冽。
ピエール・エ・アントナンの哲学は、単なるオーガニックの枠を超えています。彼らが最大の特徴とするのは、「PIWI品種(スヴィニエ・グリ、カベルネ・ブラン、ソラリスなど)」への大胆なシフトです。これらの品種は病害に極めて強いため、ビオ農法でさえ使用が認められている「銅」や「硫黄」の散布すらほぼ不要にし、土壌とブドウの純度を究極まで保つことを可能にしました。
醸造においては、酸化防止剤()を一切使用せず、濾過も清澄も行わない「完全なる無添加」を貫いています。しかし、その液体はナチュールにありがちな不安定さとは無縁で、驚くほど精密でクリーンです。代表作のペティアン(微発泡)やスティルワインは、南仏の豊かな日照を反映したエネルギーに満ちていながら、同時にクリスタルのような透明感と、抵抗性品種特有の清涼感あふれるアロマを放ちます。
伝統に固執せず、科学的根拠と自然への敬意を両立させる彼らのアプローチは、ワインを「過去の遺産」から「持続可能な未来」へとアップデートする、極めて知的で野心的な試みです。