ヴァンサン・ブロシェ
Vincent Brochet
ガスパール・ブロシェ率いる老舗RM
ヴァンサン・ブロシェは、モンターニュ・ド・ランス地区の、西側、ランス南西に位置する1級畑プルミエクリュ「エキュイユ」に拠点を置くワイナリーです。ワイナリーの歴史は長く、1721年にニコラ・ブロシェの代からブドウ畑に従事し、1943年のアンリ・ブロシェの代からRMとしてシャンパーニュ造りをスタートさせました。2012年より現在と同じヴァンサン・ブロシェの名前でシャンパーニュをリリース。2015年からは、グラフィックデザイナーであったガスパールがワイナリーを引き継ぎ、現在に至ります。
ワイナリーは、現在「エキュイユ」「サシー」「ヴィレール・オー・ヌード」の3つの1級格付けの村にまたがり、3,5haを所有(エキュイユに総面積の70%を所有)。年間生産量は約20,000本です。畑は全てHVEとVDCの認証を受け、除草剤や化学肥料を使用せず、サスティナブルな農法を目指し、栽培しています。また、当主のガスパールは、2020年より、「ガスパール・ブロシェ」というシリーズで、樽熟成、So2無添加をテーマにしたナチュラルシャンパーニュ(複数のキュベを生産し、年間生産量は約1,500本)もリリースしています。
ヴァンサン・ブロシェの拠点である「エキュイユ」では、表土に砂質、地下にチョーク質の岩盤を持ち、この土壌から、ピノ・ノワールらしい力強さとチョーク質由来の硬質なミネラルを表現しながらも、繊細性やエレガンスを感じるシャンパーニュが造り上げられています。当主のガスパールは、品種の個性や「エキュイユ」のテロワールの表現を追求する一方で、長い瓶内熟成の期間(スタンダードキュベのBSAで約50か月、リザーヴワインは50%使用。ミレジムで80ヵ月、プレステージキュベである「3gr」で約10年)をとり、熟成からくる魅力の表現にも努めています。
ヴァンサン・ブロシェのシャンパーニュには、熟成からくる複雑性とボディ、ピノ・ノワール由来の力強さと骨格、そして砂質由来の繊細性を感じるシャンパーニュに仕上がっており、他の生産者のシャンパーニュとは一線を画す品質と言えます。