| 商品名(原語) | Comtes de Champagne Rose |
|---|---|
| タイプ | Champagne / 750ml |
| 産地 | France / Chmpagne |
| 生産者名 | Taittinger |
| 生産年 | 2007 |
| ぶどう品種 | Pinot Noir, Chardonnay |
| 輸入元 | Firadis |
| 備考 | Vinous97 WA96 |
![]() Taittingerテタンジェは、フランス・シャンパーニュ地方を代表する名門メゾンのひとつであり、その名はエレガンスと繊細さの象徴として世界中に知られています。起源は1734年にまでさかのぼり、当初はフォレスト・フルノー社として設立されましたが、1932年にピエール・テタンジェが取得し、自らの家名を冠したことで現在のメゾンが誕生しました。ランスに本拠を構えるテタンジェは、歴史と文化を体現する存在でもあり、サン=ニケーズ修道院跡地に広がる地下のクレイエール(石灰岩採掘跡)をセラーとして活用しています。この荘厳な地下セラーはユネスコ世界遺産にも登録され、訪れる人々に深い感銘を与えると同時に、テタンジェのシャンパーニュに独特の熟成環境を提供しています。 テタンジェの最大の特徴は、シャルドネを主体としたブレンドにあります。多くの大手シャンパーニュ・メゾンがピノ・ノワールやピノ・ムニエを前面に打ち出す中で、テタンジェはあえてシャルドネの比率を高め、軽やかで気品あるスタイルを確立してきました。シャルドネは柑橘や白い花のアロマをもたらし、長期熟成を経ることでブリオッシュや蜂蜜、ナッツの複雑な香りを生み出します。テタンジェのシャンパーニュはそのエレガンスとフレッシュさにより、食前酒としての爽快さはもちろん、料理との相性にも優れ、国際的に高く評価されています。 このスタイルを支えるのが広大な自社畑の存在です。テタンジェはシャンパーニュ地方で約288ヘクタールもの自社畑を所有しており、これは大手メゾンの中でも最大級の規模を誇ります。畑はモンターニュ・ド・ランスやコート・デ・ブランといった銘醸地に広がり、特にシャルドネに最適な区画を豊富に抱えていることが、ブラン・ド・ブランの品質に直結しています。さらに契約栽培家からのブドウも厳格に選別し、原料段階からテタンジェならではの品質哲学を貫いています。 代表的なキュヴェである「ブリュット・レゼルヴ」は、シャルドネ40%、ピノ・ノワール35%、ピノ・ムニエ25%を基本とするブレンドで、繊細な泡立ちと柑橘や白い花の香りが広がり、テタンジェのスタイルを最も端的に表しています。フレッシュさと熟成由来の厚みがバランスよく調和し、日常から特別なシーンまで幅広く楽しめる一本です。華やかさを求める方には「プレスティージュ・ロゼ」があり、ピノ・ノワール由来の赤ワインをブレンドすることで赤い果実の香りと豊かな骨格が加わります。そしてテタンジェの頂点に立つ「コント・ド・シャンパーニュ」は、特級畑のシャルドネだけを用いたブラン・ド・ブランであり、洗練された酸、きめ細かなミネラル感、長い熟成による複雑さを兼ね備えています。このキュヴェは、世界的に高い評価を受けるとともに、シャンパーニュ愛好家にとって憧れの存在といえるでしょう。 テタンジェはまた、家族経営の精神を貫いている点でも特別です。2005年に一時外資へと売却された後、2006年には再びテタンジェ家が経営権を取り戻しました。以来、伝統を守りながらも革新を取り入れる姿勢を貫き、サステナビリティや環境への配慮を積極的に導入しています。このような哲学は、単にシャンパーニュの品質にとどまらず、地域文化や持続可能な農業への貢献という形で表れています。 テタンジェのシャンパーニュは、アペリティフとしての華やかさだけでなく、食中酒としてもその真価を発揮します。柑橘や白い花の香りをもつ「ブリュット・レゼルヴ」は魚介料理やサラダと好相性を示し、より熟成した「コント・ド・シャンパーニュ」はキャビアやロブスターといった高級食材に寄り添い、深い余韻をもたらします。さらに「プレスティージュ・ロゼ」は赤い果実の華やぎで鴨肉や仔羊料理と合わせても映えます。用途や場面ごとに最適な表情を見せるのは、テタンジェが一貫してシャルドネを尊重してきたからこそです。 総じて、テタンジェはシャンパーニュにおけるエレガンスの代名詞です。長い歴史と文化遺産を背景に、シャルドネ主体のスタイルを追求し、自社畑の強みと家族経営の哲学を融合させたワイン造りは、他に比べるものがありません。繊細で華やか、それでいて奥行きのある味わいを求めるなら、テタンジェは必ずや期待を上回る体験をもたらしてくれるでしょう。 |
