ドメーヌ・アンヌ・グロ / Domaine Anne Gros

ドメーヌ・アンヌ・グロ - Wine Library

Domaine Anne Gros

名門グロ一族の筆頭ドメーヌ

ブルゴーニュの名家グロファミリーの中でもひときわ異彩を放つのがドメーヌ アンヌ・グロです。ミシェル・グロやグロ・フレール・エ・スールとは従兄弟にあたる間柄で、ジャン・グロを父に持つミシェルやベルナールと違い、ジャンの兄弟フランソワの一人娘として育ったアンヌ。1984年までは文学の勉強をし、その後はボーヌとディジョンで栽培・醸造を学び、1988年には22歳という若さで父からドメーヌを引き継ぎ、ドメーヌ・アンヌ・エ・フランソワ・グロを設立。

彼女が引き継ぐ前は、ワインの3/4がバルクワインとして地元のネゴシアンに売られていましたが、1990年ヴィンテージより完全な蔵元瓶詰ワインとなりました。翌年には、畑を3haから6.5haに拡大し1995年には現名義となるドメーヌ・アンヌ・グロに改名。2007年には父が25年間ベルナールに貸していた0.76haのエシェゾーのロアショースを取り戻しました。

ブルゴーニュ屈指の女性醸造家

固定観念や先入観にとらわれず、常に可能性を追求するアンヌは好奇心が旺盛で、全て自ら実践し、最適な手段を選択してきました。例えば、畑では一早くフェロモン剤を導入することで除草剤・殺虫剤の使用をやめ、土壌の有機物を育てて自然堆肥を活用しています。収穫のタイミングに関しても非常にフレキシブルで、8月末に開始することもあれば、ブドウが完熟するのを辛抱強く待ち9月末にようやく始めることもあります。

ブルゴーニュ屈指の女性醸造家と評され、まさにエレガンスを体現したかのようなピュアで滑らかなワインを生み出すアンヌだが、父からドメーヌを引き継いだ当初は、若い女性当主というのは非常に珍しく、男社会であったブルゴーニュでドメーヌの看板を背負うことは決して容易ではありませんでした。「常に全力疾走でやってきた」という彼女の言葉からは、たった一人でドメーヌをトップの地位まで引き上げる中で行った膨大な数の試行錯誤と、並々ならぬ努力の跡が伺えます。一方で、ファム・エ・ヴァン・ド・ブルゴーニュと呼ばれる女性醸造家団体に早期から所属しており、ブルゴーニュにおける女性ドメーヌの地位向上にも大きく貢献しました。