シャトー・デュクリュ・ボーカイユ / Château Ducru-Beaucaillou

Château Ducru-Beaucaillou
「美しい石」が名に刻まれたサン・ジュリアンの魂——13世紀に遡る歴史とギュンツ期の礫が育む、ボルドー左岸のスーパー・セカンドの頂点
シャトー・デュクリュ・ボーカイユは、ボルドーのサン・ジュリアンアペラシオンに位置する1855年格付け第二級のシャトーで、スーパー・セカンドの筆頭として第一級に匹敵する一貫した品質で世界に知られています。「デュクリュ」は18世紀の所有者ベルトラン・デュクリュに由来し、「ボーカイユ」はフランス語で「美しい石」を意味します——ジロンド川に近い区画を覆うギュンツ氷期(第四紀最古の氷河期)に堆積した大きな礫石が畑名そのものに刻まれているのです。歴史は13世紀まで遡り、6つのファミリーによる所有変遷を経て、1942年にフランシス・ボリーがフェルナン・デスバラ・ド・ブルクから購入。以来三代にわたるボリー家の手に守られています。現当主ブルーノ=ウジェーヌ・ボリーは2003年に両親ジャン=ウジェーヌとモニクから経営を引き継ぎ、シャトー内で育った生粋のボーカイユっ子として確固たる哲学でドメーヌを率いています。
ブルーノが引き継いで以来の最大の変革は選果の徹底です。グラン・ヴァンの生産量を年間20,000ケース以上から6,000〜8,000ケースへと半減させるという「苛烈な選果(ドラコニアン・セレクション)」を導入し、品質を劇的に引き上げました。2018年からは全畑でオーガニック農法へ移行。エミール・ペイノー教授を醸造顧問に迎えた父ジャン=ウジェーヌ時代から「ラフィット・ド・サン・ジュリアン」と称されてきたエレガンスの伝統を受け継ぎながら、ブルーノは1996年(ジャン=ウジェーヌ時代の典型的サン・ジュリアン・エレガンス)、2009年(パーカー100点・当時最高値でのリリース)、2010年(パーカー98点・ジェームズ・サックリング100点)という三つのヴィンテージで頂点を証明してきました。
1918年植樹「レ・サドン」区画からグラン・ヴァンへ——「ラ・クロワ・デュクリュ・ボーカイユ」と2019年の第三ワイン誕生が示す、徹底した選果体制
畑は約75ヘクタール・計185エーカーで、シャトーに近い区画ほどジロンド川に近く、ギュンツ期の大きな礫石(ガリビエ)が水はけの良さと日中の蓄熱・夜間の放熱という理想的な熱力学的効果をもたらします。フラッグシップ・グラン・ヴァンの心臓部「レ・サドン」区画は1918年植樹という樹齢100年超の古木区画で、深い礫質土壌とジロンドへの近さが非凡なテロワールを形成しています。品種構成はカベルネ・ソーヴィニヨン主体(約70%)にメルロー(約25%)、カベルネ・フランとプティ・ヴェルドーが残りを占めます。「ラ・クロワ・デュクリュ・ボーカイユ」(1995年初リリース)はセカンドワインではなく、シャトー・タルボに近い内陸区画の独立したキュヴェとして位置づけられており、同500ケースのみ生産される「キュヴェ・コルベール」という特別熟成版も存在します。2019年ヴィンテージからはさらに第三のワイン「ラランド・ボリー」も加わり、三層の選果体制が確立しました。ジェブ・ダネックが「世界の何ものにも引けを取らない」と評するデュクリュ・ボーカイユは、サン・ジュリアンというアペラシオンの最も純粋な表現として世界中のコレクターを魅了し続けています。