シャトー・レオヴィル・バルトン / Château Léoville Barton

Château Léoville Barton
1722年アイルランドからボルドーへ渡ったトーマス・バルトン——1855年格付けから170年以上、同じ家族が守り続ける「メドックで最も信頼できる第二級」
シャトー・レオヴィル・バルトンは、ボルドーのサン・ジュリアンアペラシオンに位置する1855年格付け第二級のシャトーで、1855年の格付け制定以来同じ家族が所有し続けているメドックの2シャトーのうちのひとつという歴史的価値を持ちます(もう一方はシャトー・カロン・セギュール)。バルトン家のボルドーへの関与は1722年、アイルランド出身のトーマス・バルトンがボルドーへ渡りネゴシアンとして成功したことに始まります。1745年にサン・テステフのシャトー・ル・ボスクを最初の所有地として購入し、ボルドー産地への投資を拡大。その子孫ユーゴー・バルトンが1826年にレオヴィルの区画を購入したことが、現在のレオヴィル・バルトンの出発点です。注目すべきはユーゴーには自前のシャトー(建物)がなく、ワインは現在も三級シャトー・ランゴア・バルトンのセラーで醸造されているという特異な事情があり、そのためレオヴィル・バルトンのラベルに描かれる城はランゴア・バルトンの建物です。
畑は47ヘクタールで、カベルネ・ソーヴィニヨン72%、メルロー20%、カベルネ・フラン8%という構成で、サン・ジュリアンの深い礫質土壌に根ざしています。長年ロナルド・バルトンが経営を担い(近代的技術を嫌い伝統を重視したことで知られる)、現在はリリー・バルトンが引き継いでいます。醸造は伝統を守りながらも現代の精度を加えるスタイルで、新樽比率は50〜60%を維持。セカンドワイン「ラ・レゼルヴ・ド・レオヴィル・バルトン」が2006年から展開しています。
170年以上変わらない家族の信念——カベルネ主体の構造美とコストパフォーマンスが定義する、バルトン・スタイルの真髄
レオヴィル・バルトンのワインは、カシス、シダー、タバコのアロマにしっかりとした骨格とタンニンが特徴の、クラシックなサン・ジュリアン・スタイルを代表する一本です。派手さや流行を追わず、一貫したクオリティと適正な価格を維持してきた家族経営の誠実さが、世界中のソムリエとワインコレクターから「メドックで最も信頼できる第二級」として長年愛されてきた理由です。第一級に迫る品質でありながら格付け価格を大きく下回る価格帯は、コスパの点で屈指のボルドーとして確固たる地位を保っています。