シャトー・パルメ / Château Palmer

Château Palmer
イギリス陸軍将軍が82ヘクタールに拡大したエステートを1938年の4家族連合が引き継ぐ——第一級を超えると称されるマルゴー第三級、DEMETER認証ビオディナミの頂点
シャトー・パルメは、ボルドーのマルゴーアペラシオン内カントナック村に位置する1855年格付け第三級のシャトーで、しばしば第一級と同等または超えると評されるメドック最高の第三級のひとつです。ルイ15世の宮廷にワインを納めていたガスク家のドメーヌ・ド・ガスクが起源で、1816年にイギリス陸軍少将チャールズ・パーマーがこの土地を取得して大規模な拡大を開始。ブリテン島の貴族界での評判を高め、ジョージ4世の食卓にも供されました。1843年、財政難に陥ったパーマーは土地をパリ市に売却。その後ペレール兄弟(ナポレオン3世時代の鉄道・金融の巨人)が取得して現在の4棟の塔を持つセカンド・エンパイア様式の城館を建設しました。第一次世界大戦後の経済困難を経て、1938年にジネステ、ミアイユ、マーレル=ベッセ、シシェルという4つのボルドー名門ネゴシアン家がコンソーシアムとしてシャトーを共同購入。現在もマーレル=ベッセ家とシシェル家の子孫(計75名の株主)が所有しています。
2004年、シシェルとマーレル=ベッセの両家族は34歳という若さのトーマス・デュルー(元オルネッライア醸造家)をCEOに任命するというボルドーのしきたりを破る決断を下しました。デュルーは2007年に30歳のサブリナ・ペルネをテクニカルディレクターとして迎えて以来、農薬を排除した独自の農業哲学を確立。2013年末から冬の剪定に35頭の羊、春はニワトリと牛を用いた農業生態系の構築を始め、ビオディナミへ段階的に転換。2019年にDEMETER認証を取得しました。畑は約66ヘクタールで10,000本/haという高密植、18の区画に分割された29種の土壌が詳細に管理されています。品種構成はカベルネ・ソーヴィニヨン53%、メルロー43%、プティ・ヴェルドー4%というメルロー高比率がパルメのスタイルの核心を成します。
第一級と同等の価格と評価——「アルテル・エゴ・ド・パルメ」と1998年から続くビオの実験が示す、世界最高の第三級の実力
パルメのワインは、スミレや赤系果実にタバコ、スパイスのアロマが重なる官能的で絹のような質感が特徴で、メルローの高い比率がポムロール的な豊かさとマルゴーのエレガンスを融合させます。1998年から開始されたセカンドワイン「アルテル・エゴ・ド・パルメ」は独自のテロワールから独立したキュヴェとして醸造され、単独でも世界的な高評価を受けています。「私のワインを飲んでくれた人が、もし明日パルメのことを忘れてしまうなら、私の仕事は失敗だ」というデュルーの言葉が、このシャトーの飽くなき品質への追求を体現しています。