シャトーヌフ・デュ・パプ / Chateauneuf du Pape

シャトーヌフ・デュ・パプ - Wine Library

Châteauneuf-du-Pape

フランス初のAOC、「教皇の新しい城」が刻んだ南ローヌの頂点——ガレ・ルーレが育む18品種の交響楽

シャトーヌフ・デュ・パプは南ローヌを代表するアペラシオンで、その名は「教皇の新しい城」を意味します。14世紀にローマ教皇庁がアヴィニョンへ移転した際、教皇ヨハネス22世がこの地に夏の離宮を築いたことに由来し、当時のワインは「ヴァン・デュ・パプ(教皇のワイン)」と呼ばれていました。1923年、当時の生産者バロン・ル・ロワが偽造ワイン対策として独自の生産規定を制定し、これが1936年5月15日、フランスで最初に法制化されたAOCのひとつとして正式に認定される礎となりました。アヴィニョンとオランジュの間、約3,200ヘクタールの畑が広がっています。

この産地を象徴するのが「ガレ・ルーレ」と呼ばれる、太古の川底に堆積した丸い大石です。日中の熱を蓄え夜間に放出することで、年間2,800時間という豊富な日照とともにブドウの完熟を後押しします。畑の北東部はガレ・ルーレに覆われた粘土質、東部は砂質、南部はより礫質という、産地内で大きく異なる土壌構成を持ちます。使用が認可された品種は当初13でしたが、2009年の規定改定で18品種まで拡大されました。グルナッシュが中心的役割を担い、シラームールヴェードルがそれを支える伝統的なブレンドが多く見られます。代表的なリュー・ディ「ラ・クロー」にはヴュー・テレグラフが、最大の畑面積を持つヴュー・ラザレにはキヨ家が拠点を構えています。

熱と香草の記憶を宿す、ローヌワインの至高——18品種が織りなす複雑なアッサンブラージュ

シャトーヌフ・デュ・パプのワインは、グルナッシュ由来の豊かな果実味と高めのアルコール、南仏の灌木地帯「ガリーグ」を思わせる香草やスパイスのニュアンスが特徴です。教皇の紋章を刻んだ独特の重厚なボトルも、このアペラシオンのアイデンティティの一部となっています。生産量の大部分は赤ワインですが、グルナッシュ・ブランやルーサンヌなどを使った白ワインも一定数生産されています。優れたヴィンテージは8〜10年の熟成を経てこそ真価を発揮し、「ローヌワインの至高」と称されるにふさわしい複雑さと深みを示します。