コルナス / Cornas
Cornas
885年から続くシラーの黒い心臓——白ブドウを一切認めない、北ローヌ最も無骨な産地
コルナスはサン・ジョセフの南、ヴァランス近郊に位置する、北ローヌのアペラシオンの中で唯一白ブドウの混醸を一切認めない、純粋なシラー100%のアペラシオンです。ブドウ栽培の記録は885年にまで遡る長い歴史を持ち、19世紀初頭にはその力強い性格ゆえにボルドーへ送られ、現地のワインを補強するために使われていたという逸話も伝わっています。1938年に正式なAOCとして認定されました。長らく地元消費が中心の知る人ぞ知る存在でしたが、近年は若い世代の造り手によって再評価が進んでいます。
急峻な花崗岩質の斜面が南向きに広がり、ミストラルの恩恵をあまり受けない比較的温暖な環境がブドウの完熟を促します。レ・マザール、レ・シャイヨ、サバロット、レナールなど評価の高い区画が点在し、オーギュスト・クラップ、ティエリー・アルマン、ノエル・ヴェルセなどの伝説的な造り手たちがこの産地の名声を築いてきました。伝統的な造り手は除梗した果実をコンクリートタンクで天然酵母により発酵させ、古い大樽で2年ほど熟成させるという、ほとんど変わらないスタイルを守り続けています。
鉄拳のような骨格と土の薫り——10〜20年の熟成が解き放つ、コルナスの真の魅力
コルナスのワインは、ブラックベリーや黒胡椒、土や動物的なニュアンスを伴う、非常にタンニン豊かで力強いスタイルが特徴です。コート・ロティのような優美さとは対照的な、無骨で骨太な個性が古くから「武骨な田舎の従兄弟」と称されてきました。しかし10〜20年の熟成を経ることで、その厳格さは複雑で味わい深いワインへと変貌します。北ローヌの中でも特に手付かずのテロワールを今に伝える、シラーの本質を体現する産地です。