クローズ・エルミタージュ / Crozes-Hermitage

Crozes-Hermitage

北ローヌ最大の産地——エルミタージュを取り囲む、親しみやすいシラーの裾野

クローズ・エルミタージュはエルミタージュの丘を三方から取り囲む、北ローヌで最も広い面積(約1,600ヘクタール)を持つアペラシオンです。11のコミューンにまたがり、エルミタージュよりも遥かに大きな生産量を誇ります。北部のセルヴ、エロム、ラランジュ、ジェルヴァンといった村々は花崗岩の丘陵地帯に位置する一方、南部はイゼール川の影響を受けた砂質・礫質の平坦な土地が広がるなど、産地内での土壌の差異が大きいことが特徴です。

主要品種はシラーで、ほとんどのワインがシラー100%で造られます。北部の花崗岩質丘陵地帯から生まれるワインはより構造としっかりとした骨格を持つ一方、南部の平坦な畑からはより軽やかで早飲みしやすいワインが生まれます。長らく地元の協同組合やジャブレ・エネなどの大手ネゴシアンが中心となって生産・販売してきましたが、近年はアラン・グライヨをはじめとする若い世代の独立生産者が増え、より個性的なクロワーズ・エルミタージュが市場に登場するようになっています。

手の届く価格で味わう、北ローヌのシラーの素直な表現

クローズ・エルミタージュのワインは、ブラックベリーや黒胡椒、スミレのアロマを持つ、親しみやすく早飲みしやすいスタイルが主流です。エルミタージュのような複雑さや長期熟成のポテンシャルには及ばないものの、北ローヌのシラーの個性を手頃な価格で体験できる入門編として高く評価されています。優れた生産者の手によるものは、エルミタージュに迫る奥行きを示すこともあり、コストパフォーマンスに優れた選択肢として多くのワインラヴァーに親しまれています。