ドワイヤール / Doyard

Doyard

収穫量の半分以上を大手メゾンに売却し、最上のものだけを選び抜いたコート・デ・ブランの歴史的RM生産者。

創立者であるモーリス・ドワイヤールが第一次世界大戦後にこの地にワイナリーを購入し、1927年から自社元詰めのシャンパーニュ造りを続け,シャンパーニュの生産者としては現在4世代目となります。

モーリスはシャンパーニュ委員会(CIVC)設立メンバーの一人でもあり、モエ・シャンドン社のド・ヴォギュエ氏と共にシャンパーニュ地方の発展に貢献。その後1981年、20歳という若さで2代目ロベールよりワイナリーを引き継いだ3代目ヤニークは、以前よりも味わいの焦点がはっきりとした、ミネラルがより前面に出たスタイルへと向上させていきました。

転換期となるのが2006年、ヤニークの息子シャルルへの世代交代で、先代からの遺産をもとにドワイヤールをさらに高い次元へと導くべく、所有畑を拡張し、現在はメニル、オジェ、アヴィーズ、そしてアイという珠玉の特級畑を含む11haを所有しています。90%がシャルドネ、10%がピノ・ノワールという栽培比率。

シャルルは「泡は口の中で勢いよく弾けるものではなく、あくまでもハーモニー、その他の要素との統合が大切」と考え、上質でエレガントなテクスチャーを保つためにガス圧も通常6気圧のところ控えめの4.5-5気圧とし、「自然が与えてくれる以上のものは作ることはできない」と、ほとんどのワインでドサージュは低めに設定されています。

ドイツの著名なワイン評論家アイヒェルマン氏より、ジェローム・プレヴォ―やセドリック・ブシャール、ブノワ・ライエらと並ぶ4つ星評価。W.A.は「同じ価格帯でこれほどの品質のシャンパーニュはほとんど皆無」と非常に高く評価しています。

しかしながら天才的な手腕でドワイヤールを一躍スターにのしあげたシャルルは2017年、31歳という若さで心臓病のため急死しました。 現在は父ヤニークが再びワイナリーに戻り、シャルルの弟であるギヨームとともに兄の残した功績をさらに昇華させるべく素晴らしいシャンパーニュを造り続けています。

代表的なキュヴェ

NV キュヴェ・レボリューション・ノン・ドゼ

コート・デ・ブランの4つグラン・クリュのみのブレンド。平均樹齢は40年。完熟した柑橘果実のピュアでフレッシュな要素に香ばしいアーモンドやバタークリームとチョーキーなミネラルが混ざる複雑なアロマ。口に含むとアタックはシャープで精密、刺激的な酸が力強い果実味をしっかり支え、時間と共に繊細で滑らかなシルクのような印象に変わり、フィニッシュでは典型的なチョーキーなミネラルと塩味が広がり、ビスケットやオレンジピール、爽やかな苦みのヒントを残す長い余韻につながります。



ヴェルテュとコート・デ・ブランの4つグラン・クリュのブレンド。平均樹齢は40年。非常にピュアでフレッシュなシトラスフルーツにクリアなミネラル、そこにブリオッシュやアーモンドのヒントを感じる表現力豊かなアロマ。口の中ではエレガントでピュアな果実味に小麦やバター、砂糖漬けのフルーツが混ざることで素晴らしいフィネスと複雑性を生み出します。エネルギッシュで見事な張りのある非常に長い余韻。偉大な熟成ポテンシャルを持つ、驚くほど品質の高いスタンダードキュヴェです。



アヴィーズのシャルドネとアイのピノノワールのブレンド。それぞれ南向きの区画で、樹齢は約40年。キュヴェ名の由来はワインの色調がヤマウズラ(Perdrix)の目(oeil)のような淡いピンク色をしていたため。初めは内向的だが、時間と共にアプリコット、オレンジやグレープフルーツにサフランなど複雑で表現豊かなアロマに変わる。アタックはリッチで調和がとれており、フランネルを思わせるテクスチャーからヘーゼルナッツと塩味を伴ったフィニッシュにつながる。