ムルソー ジュヌヴリエール / Meursault Genevrières

ムルソー ジュヌヴリエール - Wine Library

Meursault Genevrières

「ジュニパーの茂み」が宿る石灰岩の斜面——ペリエールとシャルムをつなぐ、ムルソー三大プルミエ・クリュの中核

ジュヌヴリエールはムルソーのプルミエ・クリュで、「ジュヌヴリエール(genevrières)」とはフランス語でジュニパー(セイヨウネズ)が茂る場所を意味し、かつてこの丘陵にジュニパーの低木が広がっていたことに由来します。ペリエールの北に隣接し、南部の「ジュヌヴリエール・バス(下部)」(約7.8ヘクタール)と北部の「ジュヌヴリエール・オートゥ(上部)」(約8.6ヘクタール)の二区画合計約16.4ヘクタールに広がります。ムルソーの三大プルミエ・クリュ(ペリエール・ジュヌヴリエール・シャルム)の中でも、ペリエールの精緻なミネラル感とシャルムの豊かな果実味の中間的な個性を持つとされ、両者をつなぐ「橋渡し的存在」として位置づけられています。

土壌は石灰岩・泥灰土の薄い表土を基盤としながら、上部区画はペリエールに近い硬質な石灰岩が多く、下部区画はシャルムに近い粘土質の割合が高まります。この土壌の微妙な変化が二区画の個性の差を生み出しており、一般的に上部がよりミネラル感に富んだ引き締まったスタイル、下部がより豊かでふくよかなスタイルを示す傾向があります。オスピス・ド・ボーヌはこの畑に「キュヴェ・バイヨ」「キュヴェ・ジュヌヴリエール」という二つのキュヴェを持ち、毎年11月の競売に出品しています。コント・ラフォン、ルモワスネ、フランソワ・ミクルスキ、ミシェル・ブーズロなど、ムルソーを代表する造り手が区画を所有しています。

白桃とミネラルの均整——ムルソー三大プルミエ・クリュの「黄金の中庸」が示す、シャルドネの理想的バランス

ジュヌヴリエールのワインは、白桃やアプリコット、レモンの果実アロマにフリントと蜂蜜のニュアンスが重なる、均整の取れたスタイルが特徴です。ペリエールほどの鋭いミネラルの緊張感はなく、シャルムほどのバターのふくよかさもない——その絶妙な「黄金の中庸」がジュヌヴリエールの最大の魅力です。シャルドネが持つ果実の豊かさとミネラルの緊張感を同時に体験できる畑として、ムルソーの三大プルミエ・クリュを探求するうえで欠かせない存在です。8〜12年の熟成を経てヘーゼルナッツや燻製のニュアンスが加わり、ムルソーらしい官能的な複雑さが開花します。