ピエール・ユッセリオ / Pierre Usseglio

Pierre Usseglio
1931年、イタリアからローヌへ渡った移民の夢——三代にわたる家族経営が育む、シャトーヌフ・デュ・パプの誠実な表現
ドメーヌ・ピエール・ユッセリオは、シャトーヌフ・デュ・パプを代表するファミリードメーヌのひとつです。その起源は1931年、イタリアからローヌへ渡った移民フランシス・ユッセリオが遡ります。ブドウ畑の農業労働者として働き始めたフランシスは、第二次大戦後の1948年についに自らの畑を取得し、1949年に最初のヴィンテージをリリースしました。フランシスには二人の息子がおり、長男ピエールが父の畑を継いでドメーヌを拡大・近代化し、次男レイモンは1960年に独立して「ドメーヌ・レイモン・ユッセリオ」を設立しました。現在も両ドメーヌはシャトーヌフ・デュ・パプで異なる個性を持ちながら並立しており、この兄弟の物語は後に旗艦キュヴェのひとつの名前へと受け継がれています。
現在は三代目となるジャン=ピエールとティエリーの兄弟が経営を担い、各々の妻ヴァレリーとサンドリーヌも醸造・マーケティングに参加しています。四代目にあたるグレゴリー、マキシム、ティボーも加わりつつあり、着実な世代交代が進んでいます。畑はシャトーヌフ・デュ・パプを中心にリラックやコート・デュ・ローヌを含む約48ヘクタールに広がり、15の異なる区画に分かれています。ラ・クロー、レ・セール、ラ・ギガス、ピニャン、マルタン、マルコワルなどの著名なリュー・ディに畑を持ち、樹齢平均60年以上という古樹が多くを占めています。収穫はすべて手摘みで行われ、丁寧な選果と区画ごとの個別醸造が品質の礎となっています。
グルナッシュの純粋な表現を追求した三つのキュヴェ——「先祖」と「二人の兄弟」が語る、ユッセリオの哲学
ドメーヌのラインナップは個性の異なる三つのキュヴェを中心に構成されています。スタンダードキュヴェ「プルミエール・ピエール」(旧称トラディション)はグルナッシュ約80%にシラー、ムールヴェードル、サンソーをブレンドした親しみやすい一本で、フードル(大樽)と小樽で18〜24ヶ月熟成されます。1998年に初リリースされた「キュヴェ・ド・モン・アイユール(先祖のキュヴェ)」は、1926年植樹の古樹グルナッシュから生まれるグルナッシュ100%のキュヴェで、2010年以降は全房発酵を採用し、デミ・ミュイで熟成させます。ロバート・パーカーが2007年ヴィンテージに満点100点を付けたことで世界的な名声を確立しました。2000年初リリースの「レゼルヴ・デ・ドゥー・フレール(二人の兄弟の蔵出し)」は、ジャン=ピエールとティエリーが取得したラ・クロー区画の最古樹グルナッシュを主体とし、2007年ヴィンテージにジェブ・ダネックから100点を獲得したドメーヌの頂点をなすキュヴェです。