タヴェル / Tavel

Tavel
フランス唯一のロゼ専門アペラシオン——「ロゼの王」と称される、ローヌ右岸の伝統
タヴェルはシャトーヌフ・デュ・パプの対岸、ローヌ川右岸に位置する、フランスで唯一ロゼワインのみの生産が認められたアペラシオンです。1936年5月15日、シャトーヌフ・デュ・パプと同じ日にフランス最初のAOCのひとつとして認定されました。古くから「ロゼの王」と称され、しっかりとした骨格と複雑さを持つことで知られています。一般的なロゼワインとは一線を画す存在として、ブラインドテイスティングでは赤ワインと間違われることもあるほどの濃厚さを持ちます。
土壌は砂質、石灰質、そしてガレ・ルーレが混在する多様な構成を持ち、グルナッシュを中心に、サンソー、クレレット、ブールブーランなど多品種をブレンドして造られます。マセラシオン(果皮との接触)期間をやや長めに取ることで、一般的なロゼよりも深い色調と凝縮感のある果実味を引き出すのが伝統的な手法です。
赤ワインと見紛う骨格——イチゴとバラの花びらが薫る、複雑なロゼの傑作
タヴェルのワインは、つぶれたイチゴやバラの花びらを思わせる豊かなアロマと、しっかりとしたタンニンの骨格を持つ、力強くも繊細なロゼです。カシスのリキュールやスパイスのニュアンスも加わり、単なる夏の飲み物にとどまらない複雑さを示します。エレガントなタンニンの構造はグルナッシュの丸みによって包み込まれ、優れたガストロノミー・ロゼとして高い評価を受けています。フランスのロゼワイン文化において、その伝統と品質の高さで唯一無二の地位を占めるアペラシオンです。